どんな漫画読むの?っていう質問は本当に答えるのが難しい。
相手がどれくらいの漫画好きかの度合いにもよるんですけど、有名な作品を答えて『あぁそういう感じね』って思われても灼だし、マイナーすぎて知らないって言われても困ります。
ただ、攻めた結果…相手と好みが一致したらめちゃくちゃ嬉しいですよね。
さて、今回紹介する北北西に曇と往けは、アイスランドを舞台に特殊能力×探偵という職業が描かれるサスペンス漫画なんですけど、これがもう全てが美しくて超好きです。
北北西に曇と往けのあらすじ
舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。
17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。
ひとつ、クルマと話ができる。
ふたつ、美人な女の子が苦手。
3つ、その職業は、探偵――。
あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す。
愛車ジムニーを駆りながら、胸のすくような探偵活劇が、いま始まる!
ネタバレ注意!北北西に曇と往けのストーリーや魅力

©入江亜紀/エンターブレイン
作者・入江亜季さんの漫画
特殊能力を駆使して探偵をしている主人公
9割以上の漫画は、紙でも電子書籍でも好きなほうを買ったら?ってなるんですけど、北北西に曇と往けに関していえば紙の質感をぜひ楽しんでほしい。
まぁハルタで連載されている漫画はどれも画力が高く、単行本の装丁にもこだわりを感じて好きなんですけど、自分は連載が完結しても本作を手放そうとは思いません。
さて、北北西に曇と往けは「どんなに運転が下手でも道にでたら走るしかない、人生と同じ」という車が横転しているシーンから始まります。
主人公の御山慧はクルマと話ができると、あらすじに書いてありますが、具体的な説明があるわけではなく、読者には独り言のように見えるだけ。
霊感と同じで信じるか信じないかは…みたいな描き方で物語は進んでいきます。
慧はその能力を使って探偵をしているまだ17歳の青年。
長身でサングラスがよく似合い、少年とはいえない風格がある主人公で本当にカッコいい。
慧の両親は既に他界し、フランス人の祖父と二人暮らしという特殊な家庭環境。
祖父のジャックは女好き。
彼のフランクな性格が新たな出会いを運んでくるのですが、ジャックもまた特殊能力を持っています。
これについても多くは語られていません。
鳥を操るなのか、生物を操るなのか。
はたまた別の力なのか。
読んでいる人によって認識のズレがあるかもしれません。
説明口調ではなく、物語が進むにつれて色々と分かるような構成は読んでいて心地よく感じます。
殺人容疑をかけられている弟・三知嵩の謎
探偵で真っ先に思い浮かべるのは名探偵コナンですけど、実際の探偵は犯人探しなんかしません。
では、本作にどう絡んでくるのか。
それは慧の弟・三知嵩に殺人容疑がかけられているとのこと。
弟の三知嵩は日本で母方の叔父夫婦と一緒に住んでいましたが、叔母さんが事故で無くなった後に叔父は体調を崩して……そこに弟が絡んでいるかもしれない。
慧と三知鷹は仲のいい兄弟。
しかし、読者の目には三知嵩の行動が全て怪しくみえてくるんです。
ぶりっこというか、あざとく見えて仕方がありません。
北北西に曇と往けは、読者の想像をかきたてるのがとにかく上手い漫画。
アイスランドで出会うヒロイン・リリヤの美しさ。
肉をおいしそうにほおばる慧の姿。
自然保護の重要性を説くジャックなど、見どころは物語が進むごとに増していきます。
ミステリやサスペンス漫画が好きな人はもちろん。
画力が高い漫画を探している人にもおすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください。
北北西に曇と往けを無料で試し読みする方法
北北西に曇と往けはエンターブレインが刊行している漫画誌・ハルタで連載中なので、ComicWalkerより無料で1話試し読みできます。


