異世界転生系はテンプレを楽しむ漫画であり、それを受け入れられない人にオススメする作品はかなり限られてくる……がそこに新しい可能性が加わった。
この記事では小説家になろうで連載中の作品を、月刊コミック電撃大王でコミカライズされているサバイバル漫画『野人転生』の感想や魅力を紹介します。

異世界系でチートなしだと?
そう……表紙を見ればわかるように、かなりオトコ臭い漫画になっていて、異世界漫画の定番ともいえるスキルは空手という、知恵と技術で生きていかないといけない作品になっている。

野人転生のあらすじ
魔法なし。チートなし。空手あり。
俺は死んだ――。
いいかげんな神のいいかげんな転生で目が覚めたのは未開の森…しかも全裸。
これが異世界?食料は?住処は?そもそも人類はいるのか…?
魔法なし、チートなしで、頼れるものは己の知識と空手のみ!過酷でハードな異世界を体ひとつで生き延びろ!!
【ネタバレ注意】野人転生を読んだ感想
なろう系とは思えないゼロから頑張る漫画
この漫画が小説家になろう発だと知ったのは読み終わった後のこと。
コミカライズされた漫画というのは、ほとんどが『小説家になろうっぽいな』という独特の雰囲気をまとっていて、別にそれは悪いことではない。
なぜならあのサイトはそもそもが趣味だし、テンプレを好きな人が集まっていて、読者もお金を出す人も似たような好みをしているからだ。
だが……この野人転生はちょっと違う。
2019年にアニメ化された『ソウナンですか?』ほど本格的というわけではないが、サバイバルという貴重なジャンルであり、このマンガがすごい2020で第12位にランクインした『ライドンキング』のようにオトコクサイ作品なのだ。
初期チートもテンプレも無い凄さ
ファンタジーにおいて魔法や剣、スキルという武器は、物語を派手にするのに重要なパーツとなり、作者の創作を楽にしてくれる存在ともいえる。
野人転生にはそれがない。
あるのは空手というスキル。
服すらも与えられずに異世界に送られた主人公・野崎人志は、木の実が食用かパッチテストして、火おこしに挑戦して、未知の生物を観察して……というサバイバルをすることに。
まさに拳でモンスターや人と戦うことになるのだが、それはけっして闇雲ではなく、思考しながら相手の急所を狙ったり、シンプルな絵柄がむしろ読みやすくさせているのだ。
チートやあっさり敵を倒す主人公に慣れすぎていて忘れていた、ゴブリンというモンスターに対する恐怖を久々に感じる……これが異世界サバイバル漫画。
書き下ろしコラムがまた面白い
例えば、煮沸消毒せずに水を飲んでいる描写に対しては、リスクを天秤にかけているという、一コマには収まりきらないためになる知識と思考が詳細に説明されている。
キャラクターが魅力的かと言われればそうでもない……だが面白い!こういう挑戦的な作品はめちゃくちゃ好きだし、どういう展開になっていくのか今後が楽しみな漫画だ。
【最新刊】野人転生5巻の発売日
野人転生5巻は2022年7月27日に発売予定です。
野人転生を無料で試し読みする方法
野人転生はアスキーメディアワークスが刊行している漫画誌・月刊コミック電撃大王で連載中なので、ComicWalkerより第3話まで試し読みできます。


