この記事ではDQNが一枚の油絵に出会ったことで美大を目指すアート系スポコン受験物語、月刊アフタヌーンで連載中の漫画『ブルーピリオド3巻』のネタバレ注意な見どころを紹介します!
本作はこのマンガがすごい2019というプロの漫画家や書店員を含める総勢700名のマンガファンが本気で選ぶランキングで、オトコ編で第4位に選ばれている。
そしてブルーピリオド3巻では予備校での授業が本格的な受験対策に変わっていき、想像力が試されるイメージ課題に苦戦する様子が描かれています。
ブルーピリオド3巻のあらすじ
ネタバレ注意!ブルーピリオド3巻を読んだ感想
11月になり本格的な受験準備にブルーピリオドの物語は進んでいく。
予備校も30人いる生徒を5つのクラスに分けて少人数制へと切り替わっていき、八虎は橋田くんと桑名さんと同じクラスで、講師はそのまま大葉が担当することに。
大葉は「ここから皆につけてほしい力は対応力」と話し、今までの授業内容が技術向上を目的とするのなら、ここからが実践重視。
このイメージ課題で八虎は大きな壁にぶち当たります。
モチーフのないイメージ課題は美大受験の定番課題。
今まで“見て”描いてきた八虎は、自分のなかにある想像から絵を描くことに慣れていません。
真面目な八虎は行き詰ってしまうんですが……。
同じクラスの橋田は「ここにあるもんみーんな誰かが考えて作ってんねんやろ?そしたらコンビニも美術館みたいなモンやん」と柔軟な思考をしています。
橋田が語る藝大の入試は衝撃的で「ある年は土砂降りの動物園で油絵を。ある年はグレーの紙に白と黒の消せへん色鉛筆を渡されデッサン。そうかと思えば王道の石膏デッサン」という理解不能さ。
今年受かっても来年受かるか分からない世界。
私たちが知っている受験とは構造が違います。
大葉の「矢口にとって縁は糸の形してた?」という言葉に引っかかりを覚えている八虎は、美術部の先生にある提案をされます。
それがF100号を描くこと。
八虎が一番最初に出会った森先輩の絵。
それと同じサイズの特大な絵。
美術の先生に「芸術に失敗は存在しないんですよ」と八虎は言われる。
世界には色々な価値の基準があるけど“青い絵”を描いたときに失敗を考えていたのか。
あの絵で藝大に受かるのは難しいかもしれない。
けれど間違いなくいい絵だったと。
F100号を描き切った瞬間の迫力はめちゃくちゃスゴイ。
何かをつかんだ瞬間に、別の場所からこぼれ落ちていく瞬間が本作には存していて、それでも前に進む八虎の行動力に尊敬するブルーピリオド3巻だった。