月刊誌やWebサイトで連載されていた作品だと、1年に1巻しか発売されないパターンも結構あるので必ずしも5巻以内=打ち切り漫画とは限りません。
例えばアニメ化されている漫画でいえば、彼方のアストラとかピンポン、坂本ですが?やあの日見た花の名前を僕達はまだ知らないなどの、超有名タイトルも5巻以内で完結しています。
また単行本の評価はめちゃくちゃ高いのに、売り上げが芳しくなくて打ち切りという不遇な漫画も結構あるんですよね。
さて、この記事では5巻以内で一気読みできるのに面白い漫画を紹介していきたいと思います!
早期完結=打ち切りという印象が強いのはなぜか?
まぁ、これは完全に一番人気の漫画誌である週刊少年ジャンプの影響ですね。
読者人気を反映させた掲載順から新連載漫画の打ち切りを予測できてしまうこと、その単行本が3巻以内に収まることから、早期完結=打ち切りになった印象が強いんですよね。
週刊少年漫画で単行本3巻分の連載は約半年。
月刊誌で連載されている場合は2~3年。
Webマンガサイト・アプリは、そもそも長期連載を想定していない作品が多い気がします。
各漫画誌、媒体、ジャンル、原作小説の有無、短編集、作者のスタンスによって全然違うので、巻数が少ないから打ち切り、面白くないとは、一概には言えません。
実際に読んで面白かった5巻以内の完結漫画5選
夢中さ、きみに。【和山やま/短編集】
まず最初に紹介する『夢中さ、きみに。』は、シュールな世界観にめちゃくちゃ笑わせてもらった漫画で、短編集に興味を持つきっかけになった衝撃的な作品でした。
このマンガがすごい2021オンナ編で第1位に輝くなど、各賞で話題となった『女の園の星』の作者・和山やまさんのユーモア、センスがとにかく凄い!
一見、BLっぽい雰囲気を感じるんですけど、そんなことはなく、男子高校生のシュールな日常が一冊にこれでもかと凝縮されています。
メタモルフォーゼの縁側【鶴谷香央理/全5巻】
夫と死別し余生を過ごすおばあちゃんが、ふと立ち寄った書店で手にした1冊のBLをきっかけに、書店員の女子高生と友情が芽生える優しい世界観が魅力の漫画です!
このマンガがすごい2019オンナ編では第1位に輝き、マンガ大賞2021では第8位にランクインするなど、こちらも話題作で、2022年6月にはなんと映画化が決定しております。
終活を考えるおばあさんと、将来について考える女子高生。
見据える世界はまるで真逆の二人の友情。
おばあちゃんの視点から見る世界に哀愁を感じ、色々と考えさせられて、読後には余韻が残る素晴らしい漫画でした。
となりの妖怪さん【noho/全4巻】
寿命を全うした飼い猫が、突如進化して猫又に。
ハッピー!エンジョイ!って。
ただの、田舎暮らしのスローライフが描かれるんじゃなくて、自分が妖怪になった理由はなんなのかとか、これからどうしたいかを真面目に考える様子が描かれて感嘆しました。
人間と妖怪が当たり前のように共生している社会。
温かみのある田舎の雰囲気や絵柄。
そして謎に満ち溢れた物悲しい事件……。
どこかノスタルジックを感じさせる日常系漫画。
1冊のボリュームもあって、全4巻ながら読み応え、満足度が凄く高い作品でした。
映写室のわかばさん【青山克己/神田川あゆ/全2巻】
最後に映画館に足を運んだのはいつだっただろうか……。
本作は、デジタルの波にのまれて絶滅危惧種になってしまった名画座で働く、映写技師のお姉さんを描いたお仕事漫画です。
お客さんの前で見せるクールな姿と、キラキラと目を輝かせて映画を観るそのギャップにやられます。
自分の知らない世界を知れるっていいですよね。
別にラブコメってわけじゃないけど、ラブコメが好きな人におすすめで、言い方は悪いですけど全2巻だからこそいいなって思える漫画でした。
水は海に向かって流れる【田島列島/全3巻】
こちらは、2021年に映画化された『子供はわかってあげない』の作者・田島列島さんが描く人間ドラマが魅力の漫画です。
この漫画の何が凄いって、自分の父親が過去に浮気した相手の娘と同居生活するという、いかにも大波乱が待ち受けている設定なのに、ユーモアたっぷりだからめちゃくちゃ読みやすいんですよ。
自分は共感性羞恥を抱きやすいので、こういう作品はとにかく苦手。
にもかかわらず、登場人物の性格が大人っぽいので感情任せで理不尽にふるまうことは無いし、こんな息が詰まる設定をサラッと読ませる作者の力量に天才かよって思った漫画です。
まとめ
毎年のように完結する漫画もあれば新しく始まる漫画もあります。
完結した漫画は書店から消えて行ってしまうため、こうして過去の名作に目を向けてみるのも面白いのではないでしょうか。
どれも5巻以内でサクッと読めてしまうため、購入の参考にしてみてください!