漫画の評価の難しいところって、面白いけど嫌いな作品とか、自分は好きだけど世間的にはつまらない作品とか、最初は面白いけど途中から微妙とか、色んなパターンが存在することなんですよね。
さて、今回紹介するリモデリングは、過去に犯罪を多発させて世界を混乱させた超人への差別や、地下社会で人間の尊厳をかけた戦いが描かれるダークな世界観が魅力のバトル漫画。
奴隷たちが殺し合うのをスポーツ・ゲーム感覚で楽しむ描写は、自分は苦手なんですけど、死と隣り合わせだからこそ言葉の重みや価値をしっかりと感じれる漫画でした。
リモデリングのあらすじ

世界各地で一斉に生まれた超人を科学技術「リモデリング」で乗り越えた世界は、今や超人への差別で満ち溢れていた。
超人としての正体を隠して生きてきたリアンナは、ある日遂に超人であることがばれ、捉えられてしまう。
これからの人生に絶望するリアンナを待っていたのは、人間による超人殺戮ショー「リモデリングバトル」だった――。
リモデリングを読んだ感想と内容紹介

作者・大野将磨が描いた漫画
魅力①.人間の愚かさと絶望がこれでもかと描かれる
今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介はリモデリング!
最初に述べておくことがあるとすれば、人の趣味趣向によるのはそうなんですけど、楽しさや面白さを期待して読む漫画ではありませんってことですかね。
まぁ、キャラクターが死にまくるダークな世界観でも、面白いと嬉々として語る人もいるから一概には否定できないけど、とにかくマイナスなパワーが強い漫画でした。
超人と呼ばれる特殊な力も持った者たちが、自分を制御できずに犯罪を起こしまくった過去。
現在はリモデリングという科学技術の結晶によって、その脅威を克服することに成功した。
残ったのは超人への嫌悪感。
犯罪者の家族に石を投げるかのように、超人と判明された者たちは差別され、人権すら奪われてしまうかなりハードな世界観です。
本作の主人公・リアンナは誰からも愛されず、わずか9歳にして超人であることがバレてしまい、地下世界にある闘技場で、生きるか死ぬかの戦いを迫られてしまいます。
個人的に気になったのは9歳という年齢設定。
日本でいえば小学3年生くらいでしょうか。
国も違えば、生活環境も違います。
超人という身体能力へのバフ効果もあるでしょうから、決して否定できませんけど、こういうバトル漫画だとフィジカルやメンタルに年齢不相応さを感じてしまいました。
完全なファンタジー漫画だと割り切れますけど、近未来という設定はどうしても多少のリアリティを感じるので、言動の節々に『この子まだ9歳なんだよな……』という違和感を覚えてしまいます。
とはいえ、残酷な世界に馴染まない純粋さは年齢相応。
他人を信じることは自分の死期を近づけてしまう行為。
年齢相応の振る舞いをしようもんなら、それはそれでイライラする展開になる矛盾を抱えています。
魅力②.絶望に次ぐ絶望がテンポよく描かれる
リモデリングの作者・大野将磨さんは、集英社の青年コミック誌が総力を挙げた1億円40漫画賞で最高賞金を獲得しているらしく、その実力の一端を垣間見ることができます。
格闘技漫画賞で準大賞&入賞の2作品。
バトル漫画賞で準大賞&入賞の2作品。
計4作品で賞金を獲得した実力が本作でも遺憾なく発揮されていて、絶望から立ち上がり、また絶望へというループが物語を盛り上げています。
読めば読むほどクセになるこの独特な絵柄も、キャラクターの感情をうまく表現していました。
エピソードごとのテンポもいいし、構成力が優れている。
自分はこのタイプの漫画を苦手としているんですけど、絶望の中できらきらと眩く光るリアンナの生命力に目が離せませんでした。
ダークな世界観に魅力を感じるあなたにおすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください。
【完結】リモデリング4巻の発売日

- Qリモデリング4巻の発売日はいつですか?
- A
2022年4月19日に発売されました。
リモデリングを試し読みする方法
リモデリングは集英社が運営しているヤンジャン!で第2話まで無料で読めますよ!

最後にこれを読んだことがあるなら相性がいいよ!って漫画を紹介したいと思います。
