この記事では次にくるマンガ大賞2019にもノミネートされた、月刊モーニング・ツーで連載中のお江戸ガールズコメディ『別式』のネタバレ注意な感想や魅力を紹介します。
表紙の可愛さにつられて購入した作品でしたが、巻を重ねるごとにコメディという枠におさまりきらない復讐心や恋愛感情の暴発などが濃密になっていく漫画でした。

いったい何人の読者の感情を切り刻んだのか…
別式に興味はあるけれどまだ読んでいない、どんな漫画か気になっているというひとはぜひ参考にしてください!!


読後にはかなりダメージをうけるので共感性羞恥が発動するひとは注意です
別式のあらすじ
江戸時代、武芸で身を立てていた女性剣士「別式(べつしき)」。
江戸に道場を開く別式の佐々木類(ささき・るい)は、今まさに、婿探しの真っただ中にあった!
「自分より弱い男に家督を継がせるわけにはいかない」
「ただしイケメンに限る!」と理想を高く掲げ、苛烈なる婿探しは続く。
個性豊かな別式仲間との出会い、婚活、合コン、コミケに出没、そして別れ。
お江戸ガールズコメディ、堂々開幕!!
別式1巻より引用
別式の魅力を語る
別式の作者・TAGROさんの漫画
2011年にはアニメ化もされた変ゼミや宇宙賃貸サルガッ荘という漫画をTAGROさんは描いています。
コメディという皮をかぶった復讐劇
別式1巻の帯には『別格にして格別、そして別嬪!この切れ味は、切ない』と化物語シリーズの西尾維新さんが推薦コメントを書いていたり『強く可愛く面白くそして悲しく儚い』という説明がされています。
そうなんです。
どんな漫画なんだと聞かれたら喜怒哀楽すべての要素がつまっている漫画と答えるのが正解なんです。
しかし私はあらすじのお江戸ガールズコメディという言葉と表紙に描かれている可愛らしいヒロインたちにひっかかり、感情をぐさっとえぐられるという罠に引っかかりました。

性と生死について濃密に描かれている!
別式は主人公の佐々木類と、ある男への復讐ともっと複雑な感情を抱いている切鵺の対立から描かれています。
おそらくこのふたりの決闘が別式の最終的な構図になるのだとしたら、この漫画には悲しさしか残らないでしょう…。
ヒロインの佐々木類という別式
佐々木類というヒロインは剣の天才でありながら「わたしはブサイクとはやらない主義なんだよ」とクールぶっているのですが、実はそういったことに興味津々。
結婚や恋愛を意識しまくってはいるけれど相手に求める条件が“イケメンで自分より強い”だから、終始悶々としている類の可愛らしさがコメディ要素になっています。
またバイトや同人誌という言葉が登場したりと、現代になじみがある口調でキャラクターが喋っているのもとても読みやすい。
江戸時代の背景を描きながらもとても親しみやすい漫画なんです。
TAGROさんの絵柄がポップで可愛いものだから、ラブコメとか好きな人はすぐに虜になる。
しかしながら戦闘描写は両腕を切り落としたりと意外とグロい漫画でもあります。
別式の出会いと別れの物語
そもそも別式とは女性剣術家のことを指す言葉で、江戸時代という時代背景を考えれば戦闘描写が描かれるのは当然ともいえるのですが…。
別式の物語は切鵺が追いかけている“キツネ目の男”を巡って重くなっていきます。
自分の両親を手にかけた男への復讐と揺れる感情、キャラクターが抱えている闇と時代背景からくる事情など読んだ後にはとても悲しくなるような物語がここにはあります。
めっちゃ面白いぜ☆
という漫画ではありません。
ドラマのようにハラハラしながらも続きが気になって仕方がないという漫画でした。

友達には紹介しないけど漫画好きには知っておいて欲しい作品です
まとめ
別式を本屋で探すときに目印になる漫画
本屋で別式を探すのなら、同じ漫画誌『月刊モーニング・ツー』で連載されているとんがり帽子のアトリエや聖☆お兄さんの近くにあると思いますよ。

別式をぜひ読んでみてくださいね