ほとんどのファンタジー漫画は、読者の共通認識である設定を使いまわしているので、不思議な現象を深く説明せずに物語が進んでいきます。
そんななか、今回紹介するDジェネシスは、ダンジョンが現れてからわずか3年後を描く現代ファンタジーなんですけど、目まぐるしい変化に整備が追いつかない社会にリアリティを感じる漫画です。
Dジェネシスのあらすじ
【ネタバレ注意】Dジェネシスを読んだ感想
原画・平未夜さんの漫画
ダンジョンへの適応途中の社会が描かれる漫画
3年前と今で何が変わったかと聞かれても、思い浮かぶことはありませんが……。
10年前と現在ではスマホの普及率や、電子機器の技術力で明確な差があって、今ではSNSやubereats、サブスクを利用しない生活なんて考えられません。
他にもテレビやYoutubeの画質。
バコの価格や禁煙者数の推移。
日本へ訪れる外国人観光客の数などは顕著。
目に見えない形で確実に社会は変化しています。
Dジェネシスはダンジョンが世界に誕生してから間もない、理解や制度の整備が追いついていない状態の現代社会が描かれていて、これがまぁ類似作品には無い魅力でした。
ファンタジーといえば冒険!ってなりがちですけど……。
本作の場合は、ダンジョンの仕組みや規則性の考察、ステータスが社会に与える影響や、ビジネス、暗躍する大人たちなど、それ以外の話がメインに描かれていて面白いんですよね。
小説家になろうにもこんな作品あるんかと、原作小説で物語の続きを追いかけるくらいには、自分好みの内容でした。
例えばとんでもスキルで異世界放浪メシとか。
鍛冶屋ではじめる異世界スローライフとか。
チート能力という強運を活かして、商人みたいなお金稼ぎ。
表舞台で俺tueeeeするわけじゃないのに、名声は勝手に上がっていく感じが好きなんですよね。
Dジェネシスのなにがいいかって、スキルが悪用されたらどうなるかとか、こういうビジネスに繋がるんじゃないかって考える、現代社会で生活しているリアリティ。
たった1つの新発見で世界情勢が変わってしまうかもしれない危険性がある。
当たり前ですけど、そのことをないがしろにしている類似作品って多いんですよね。
冒険から持ち帰った成果の検証とビジネスが描かれる漫画
Dジェネシスはメイキングというチート能力を手に入れた主人公が、ダンジョン探索者のランキング1位に躍り出て、24時間で消滅するスキルオーブの売買に成功する、超幸運から物語が始まります。
なろう系らしい導入ですけど、彼らがするのはワクワクするような冒険ではなく、ビッグビジネス。
省庁や公安、研究者や自衛隊。
世界各国の軍人など、知能に優れた人物との駆け引き。
機密情報を盗もうと画策する敵との水面下での戦い。
ダンジョン内で得たスキルやステータスが日常生活にどのような影響をもたらすのか、科学的に検証を重ねて、情報を確定させるまでの過程がちゃんと描かれています。
ダンジョン内でくだらないマウントの取り合いを見せられるよりも、持ち帰った成果をどう利益に変換するのか、社会に流通させるベストな方法は?と思考している様子が面白いんですよね。
もちろん、ランキングに意味あるのか?
主人公だけが優遇されすぎてないか?
と感じる部分もあるんですけど……。
それを上回るくらい、珍しく大人な世界が描かれるなろう系だったんで、楽しく読めました。
冒険譚よりもスローライフ系の異世界漫画が好きな人におすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください。
【最新刊】Dジェネシス5巻の発売日
- QDジェネシス5巻の発売日はいつですか?
- A
2023年12月26日発売予定です。
Dジェネシスを無料で試し読みする方法
DジェネシスはKADOKAWAが刊行している漫画誌・月刊コンプエースで連載中なので、ComicWalkerより無料で第3話まで試し読みできます。