なろう系などのネット小説は、読者の共通認識やテンプレ展開を使いまわしているので、不思議な現象について深く探求することなく物語が進んでいきます。
良くも悪くも、余計な説明を省くことが展開の速さに繋がっているのは間違いないんですけど、そこをしっかりと物語につなぐことができれば、有象無象から頭二つも三つも抜け出せるのになとも感じていました。
さて、今回紹介するDジェネシスは、サブタイトルに書いてあるようにダンジョンが現れてからわずか3年後の現実世界が描かれる現代ファンタジー漫画なんですけど、これが想像以上に考えている物語でよかった。
現実社会にダンジョンが出現する漫画は他にもありますけど、法整備や理解が追いついていない社会の未成熟さから感じるリアリティと、ファンタジーの面白さをここまでバランスよく構築した漫画は他に無いと思います!
Dジェネシスのあらすじ
【ネタバレ注意】Dジェネシスを読んだ感想と内容紹介
原画担当・平未夜が描いた漫画
ダンジョンへの適応途中の社会が描かれる漫画
今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介はDジェネシス!
たまーにあるなんで自分でも買ったのか分からないけど、読んでみたら想像以上にめちゃくちゃよかった漫画です。
基本的に表紙買いする人間なのに、積読している間になんで自分がこの漫画を選んだのか忘れて、頭にハテナを浮かべながら読むことがたまにあるんですけど、あなたもそういう経験はありますか?
さて、3年前と今で社会がどう変わったかと聞かれたら、具体的に答えるのは難しいんですけど、平成初期と令和で考えたら、やっぱりそこはスマホの普及による分かりやすい社会の変化がありますよね。
誰もがカメラを持っていて、いつでも気軽に動画を撮れる。
Youtuberが職業として認識されているのもそうですし、サブスクやQRコード決済が当たり前になっているのもそうですし、意識せずとも社会は確実に変化しています。
Dジェネシスではダンジョンが世界に誕生してから間もない、理解や制度の整備が追いついていない状態の現代社会が描かれているわけですけども、このリアリティが類似作品には無い魅力でした。
こういうネット小説発のファンタジーといえばチート能力で冒険!俺TSUEEEEってなりがちですけど……。
本作の場合は、ダンジョンの仕組みや規則性の考察、ステータスが社会に与える影響、暗躍する大人たちやビジネスの話など、それ以外の話がメインに描かれていて面白いんですよね。
ネット小説にもこんな作品あるんかと、原作を探して物語の続きを追いかけるくらいには、自分好みの内容でした。
例えば、とんでもスキルで異世界放浪メシとか、鍛冶屋ではじめる異世界スローライフみたいに、チート能力という強運を活かして、商人みたいなお金稼ぎをする漫画。
表舞台で無双するわけじゃないのに、名声が勝手に上がっていく感じが好きなんですよね。
Dジェネシスのなにがいいって、スキルが悪用されたらどうなるか、こういうビジネスに繋がるんじゃないかって現代社会で考えて働きながら生活しているリアル感。
たった1つの新発見で世界情勢が変化する可能性をないがしろにしている類似作品が多いなかで、Dジェネシスの大人たちが色々と考えながら動いている感じはけっこういい読み心地でした。
冒険から持ち帰った成果の検証とビジネスが描かれる漫画
Dジェネシスはメイキングというチート能力を手に入れた主人公が、ダンジョン探索者のランキング1位に躍り出て、24時間で消滅するスキルオーブの売買に成功する、超幸運から物語が始まります。
なろう系らしい物語の導入ですけど、彼らがするのはワクワクするような冒険ではなく、ビッグビジネス。
省庁や公安、研究者や自衛隊。
世界各国の軍人など、知能に優れた人物との駆け引き。
機密情報を盗もうと画策する敵との水面下での戦い。
ダンジョン内で得たスキルやステータスが、日常生活にどのような影響をもたらすのか、科学的に検証を重ねて、情報を確定させるまでの過程がちゃんと描かれています。
ダンジョン内でくだらないマウントの取り合いを見せられるよりも、持ち帰った成果をどう利益に変換するのか、社会に流通させるベストな方法は?と思考している様子が面白いんですよね。
もちろん、ランキングに意味はあるのか?主人公だけが優遇されすぎてない?みたいな、なろう系特有の無双感はあるんですけど、それを上回るくらい、珍しく大人な世界が描かれるなろう系だったんで楽しく読めました。
なろう系や現代ファンタジー漫画が好きなあなたにはもちろん、冒険譚よりもスローライフ系の異世界漫画が好きなあなたに超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください。
【最新刊】Dジェネシス5巻の発売日
- QDジェネシス5巻の発売日はいつですか?
- A
2023年12月26日発売予定です。
【無料】Dジェネシスを試し読みする方法
DジェネシスはKADOKAWAが運営しているカドコミで第1話まで無料で読めますよ!
最後にこれを読んだことがあるなら相性がいいよ!って漫画を紹介したいと思います。