海外旅行に興味が無いと言いつつ、サッカー好きとしては、いつかスペインのスタジアムで、試合を生観戦したい願望が少しあるのは否定しません。
さて、今回紹介するあかねさす柘榴の都は、スペイン南部の都市・グラナダを舞台に、母親を亡くした少年が、異国の地で暮らす親戚のお姉さんに引き取られて新生活を始める漫画です。
あかねさす柘榴の都のあらすじ
ネタバレ注意!あかねさす柘榴の都を読んだ感想
遠い国で生活していた親戚二人が少しずつ家族になる漫画
自分は母親が病気になったことをきっかけに、親戚の家に預けられたことがあるんですけど、今思えば小学生低学年の頃で良かったと感じます。
人間関係において気遣いは重要。
しかし、行き過ぎた遠慮は、ときにコミュニケーションの損失に繋がりかねません。
すみません、大丈夫と遠慮するのではなく。
ありがとうと、相手の好意を素直に受け取るのも大切なんですよね。
あかねさす柘榴の都の主人公・橘夏樹の年齢設定は14歳。
母親の死をきっかけに、日本から遠く離れたスペインのグラナダで、叔母のアルバと同居生活することになります。
国内で引っ越しするだけでも大変なのに。
言語も文化も違うスペインでの新生活。
しかも、年齢も性別も違う、超絶美人なお姉さんと生活するなんて、思春期真っ只中の少年の気苦労は、想像に容易いですよね。
しかし、夏樹はそれをまったく感じさせない飄々とした少年で、むしろクールにみえるアルバのほうが気を使っているのが分かります。
親戚といえども、二人が特別仲が良かったとかそういう関係性ではなく、どこまで本当の自分をみせていいのか距離感を図っている感じが、上手に描かれています。
スペインのシェアハウス『ピソ』での愉快な生活が描かれる
あかねさす柘榴の都のなにが良かったかって、スペインのシェアハウス・ピソで色んな人たちとの交流が描かれる漫画ってところ。
もちろん二人の関係の構築をじっくり描くのもいいんですけど……。
夏樹がスペインに来た経緯が暗い理由なため、明るい要素があるのは読みやすくてとてもありがたい。
スペインの生活模様、石畳やレンガ調の建築物が多い街並み。
日本との違いを引き出すきっかけになっています。
スペインではアイスでもホットでもグラスで飲むのが主流とか、ガスコンロは手動着火式も多いよとか、細かい描写もあって読んでいて楽しい漫画です。
ハルタクオリティの安定している綺麗な作画
気になる絵柄は、流石のハルタコミックスと言う他無いほど、安定して綺麗な作画をみせてくれます。
夏樹に同年代の友達ができるのか?
学校はどうするのか?
アルバはどうして夏樹を引き取ろうと決めたのか。
1巻ではピソを中心に話が描かれましたが、夏樹の心の整理が終わり、外に興味を持ったときにどう物語が動くのか、読んでいて楽しみになりました。
【最新刊】あかねさす柘榴の都2巻の発売日
あかねさす柘榴の都2巻は2022年9月15日に発売です。
あかねさす柘榴の都を無料で試し読みする方法
あかねさす柘榴の都はエンターブレインより刊行されている漫画誌・ハルタで連載中なので、コミックウォーカーより無料で第1話を試し読みできます。