コレクターの金銭感覚は、需要と供給からくる価格の推移や、商品の歴史や価値を正しく把握している同好の士じゃないと、到底理解できるものではありません。
遊戯王やポケモンなどのカードゲームでも、一枚何十万円以上するものがざらにありますし、ハイブランドの時計やバッグが、機械の塊である自動車より高いって不思議な感覚ですよね。
さて、今回紹介するビンテイジは、青春を謳歌するラストチャンスなのに冴えない大学生活を送っている主人公が、古着屋で働くヒロインに出会ったことをきっかけに変わっていく趣味漫画です。
ビンテイジのあらすじ
ネタバレ注意!ビンテイジを読んだ感想
作者・赤堀君の著作
初期設定に無理を感じるがヒロインのお叱りで溜飲が下がる
ラブコメ漫画の年齢設定が、なぜ高校生以下で溢れているのかといえば、読者が受け取るキャラクターの言動の生々しさや不快感が幾分マシになるからでしょう。
高校生以下はどんな失敗をしても、まだ子供だから、フィクションだからが通用するんですけど……。
大学生を境にピュアな純愛から、人間ドラマを含んだ渋い恋愛に変わると、どうしてもリアリティを感じるし、読者の見る目が厳しくなっちゃうんですよね。
ビンテイジはまさに主人公の不用意な言動に引っかかる部分が多い漫画でしたが、ボーイッシュなヒロインが、バッサリと否定する場面が描かれていて、溜飲が下がりました。
亡くなった父親の遺品整理。
トラウマを植え付けられたとはいえ、古着をこよなく愛していた父親の宝物を値段を調べずに売ってしまう適当さには、読んでいて呆れました。
ネットに疎い母親がそれをするならともかく、フリマアプリなど個人間取引が盛んな今の時代、スマホを扱える大学生がそんな失敗しませんよ。
服に興味が無くても、古いものに価値がありそうって感覚は、持ち合わせていて当然のこと。
父親と諍いがあったとしても。
宝物のように扱う姿を見ていれば、商品価値に気づかないなんてありえないでしょう。
だからこそ、すぐさまヒロインが「あなたは相当なバカ息子だってこと」と、主人公を冷たい目で厳しく非難した姿は、むしろ好印象。
マイナスイメージを次の巻に持ち越さない重要性を、ちゃんと理解している漫画だと感じました。
流行や着こなし方ではなく古着の魅力を教えてくれる
ヒロインにお叱りを受けた後の主人公はまるで別人。
服について勉強し始める彼の姿勢に触発されて、知識・雑学がどんどん引き出されていくので、第1話を超えた後は読んでいて楽しかった。
主人公にはキャンパスライフを謳歌したい願望。
青春ラブコメ要素もあるので、共感性羞恥を抱く場面も少なからず存在しますが、それもまた魅力。
なにより、煙草吸ってるショートカットのクール系ヒロイン好きの自分には超ささりました。
【最新刊】ビンテイジ5巻の発売日【完結】
- Qビンテイジ5巻の発売日はいつですか?
- A
2024年5月7日発売です。