【佐々田は友達】正反対な二人が混濁する学校生活が描かれる漫画

漫画を読む理由なんて手軽に楽しめる娯楽だからってだけで、そこにメリットなんて高尚な言い訳を用意したくはないんですよ、いち漫画好きとしてはね。

ただ、世の中には色んな人間がいるって気づきを与えてくれるのは、最大の恩恵だと思いますよ。

さて、今回紹介する佐々田は友達は、陰キャの主人公・佐々田さんとクラスの中心人物的超陽キャの高橋さんの正反対な二人が、ひょんなことから距離が近づく学園漫画。

一見すると超地味でごく普通のよくある漫画なんですけども、それぞれが苦悩を抱えているけど言葉にはしないまま物語が進んでいく感じが超リアルで、複雑な人間関係が描かれていました。

佐々田は友達のあらすじ

【ネタバレ注意】佐々田は友達を読んだ感想と内容紹介

魅力①.極限までシンプルな設定で勝負している

今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介は佐々田は友達！

一見シンプルでごく普通な設定の漫画こそ、実は大当たりの可能性を秘めていると逆張りして購読する人間なんですけども、スキップとローファーとかモブ子の恋とかまさにそれ。

＋αの何かをつけ足してオリジナリティ感のある漫画をつくろうとしているなかで、既存の設定で勝負しているシンプルな漫画を自分はけっこう評価しています。

佐々田と友達をキーワードで分解すると『学校生活/人間ドラマ/苦悩/学び』なので、これらに興味があるならおすすめですし、無いなら新規開拓してみてください。

佐々田は友達はまさにシンプルイズベストな学園漫画。
いや、人間ドラマが魅力の学園漫画といいましょうか。
主人公の佐々田さんと、その友人となる高橋さん二人を主軸に物語がつくられています。

そう、高校生活を描きながら中心人物は少ないんです。
ラブコメでも、百合でもない、ただの友達。
しかも親友ってよりは、仲が良いクラスメイトを描いている感じで空気感が超リアルなんですよ。

それも順風満帆とはいかずに、疎遠になったりするのも漫画としては珍しい描き方してます。

佐々田は友達を読んでいると思い出しますよ。
その1年間は超仲良かったけど、クラス替えした瞬間に関係性が終わった友達のことを。

佐々田は友達ってタイトルでありながら、想像するような友達関係は一切描かれていなくて、大人になってから思い出す学校生活みたいに淡い色がどこまでも続く、そんな雰囲気。

でも、嫌な記憶はいつまでも強く残るもので、コントラストはくっきりしているみたいな、言葉にするのが難しいんですけども、灰色でも青でもピンクでもない、水色の学園生活って感じ。

魅力②.胸の内にあるそれぞれの苦悩の言語化が上手

物語の主人公・佐々田さんはいわゆる陰キャで、友達をつくるのが上手ではなく、高校二年生に進級してから一週間が経過してもクラスに馴染めずにいました。

そんな彼女はひょんなことをきっかけに、クラスの中心人物的存在の高橋さんに気に入られ、いじられるという名のちょっかいをかけられる仲になります。

ひとりの時間を大切にしている佐々田にとって、パーソナルスペースに軽々と侵入してくる超陽キャの高橋さんは難しい存在であり、それは高橋さんにとっても同じこと。

佐々田は「距離感が…ある…と…助か…る」とビクビクしながら自分の要望を伝え、高橋さんは自分の押しが強すぎたことを反省し「考えとく！」と関係性に変化が生じます。

陰キャ視点では陽キャの圧はとても怖いものがありますけど、陽キャからするとなぜビビられているのか分からないみたいな、住む世界が違うがゆえの齟齬が描かれています。

どっちがどうとかではなく、どっちにも言い分があって、それぞれに苦悩がある。

そういう胸の内に抱えているモヤモヤの言語化がマジでこの漫画が上手なんですよ。

自分は昔、教師に対して『そもそも教員試験に受かる人間が生徒の悩みなんて理解できるわけないだろ』って思ってたんですけど、ある日の飲食店のバイト中に高校教師が『明日朝イチから補習なんだよね』ってうなだれている姿をみて、視野の狭さを反省しました。

そりゃあ、教師だって仕事ですし、睡眠時間が減らされるのは嫌に決まっていますよね。

そういう言動の奥にある感情や、それぞれの視点や事情を考える重要性に気づかせてくれる漫画だと佐々田は友達を読んでいて、感嘆させられました。

人間ドラマが魅力の漫画が好きなあなたにはもちろん、読んでいてタメになる漫画を探しているあなたに超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください！

【完結】佐々田は友達3巻の発売日

佐々田は友達と相性のいい漫画読者は？

この漫画を面白いと感じているなら、佐々田は友達も合うよって作品を紹介したいと思います。