池の水を全部抜いたり、開かずの金庫に挑戦したりするテレビ番組とか、金属探知機を使って山の中や河原を探索する映像は、見ていてとてもワクワクする。
今回紹介する瑠璃の宝石は、まさにそういうロマンを感じる漫画。
自分で採ればアクセサリーも作り放題と考える現金な女子高生が、鉱物の研究をしている大学院生に出会ったことをきっかけに、鉱物そのものに魅了されていくお話。
瑠璃の宝石のあらすじ
鉱物採集は現代の宝探しだ!!
美しい鉱物を発見するだけ?
いいえ。鉱物の発見を通じて、地球の成り立ちや仕組みをも発見することができるんです!
鉱物学を修めた作者の確かな知見に基づく本格サイエンス・アドベンチャー!
ネタバレ注意!瑠璃の宝石のストーリーや魅力
著者・渋谷圭一郎の漫画
子供っぽい主人公に辟易するけれどテーマが優秀な漫画
瑠璃の宝石を読んでいて、一番最初に思ったのは、とにかく主人公・谷川瑠璃が自己中すぎてウザいということだった。
モブがうざいとか、敵キャラの性格が悪いなんてのは、よくあることなんだけど、物語の中心人物の性格が子供すぎて「うわっ……」てなったのは初めてかもしれない。
ふたりソロキャンプを読んだときも同じようなことを最初に思ったけど、読んでいくうちに慣れていったので、本作の場合はどうなるか……。
とはいえ、山や川に立ち入る以上は注意事項が必要で、こういうキャラクターがいると自然な流れで説明に持っていける利点もある。
そんな主人公とは対照的に、瑠璃に鉱物採集を教えてくれる大学院生の荒砥凪は、言葉遣いも丁寧な大人のお姉さんという雰囲気でめちゃくちゃ好き。
もしもこの組み合わせが、同級生とかだったら、読むのを諦めていたかもしれない。
知識欲が満たされる本格鉱物採集漫画
とはいえテーマがめちゃくちゃ面白いのは間違いないし、鉱物の描写や、発見したときの表情は魅力的で、なによりも鉱物学を修めている作者が描いているということで、これが現実でありえる事なんだというワクワク感が凄い。
砂金やガーネット、水晶や蛍石。
宝石としてしか知らなかった存在が身近な物にも思えてくるし、何万年もの年月をかけて存在していると考えてみると、そこら辺に落ちている石すら不思議な物に思えてくる。
瑠璃の宝石では“価格以外の価値”を描いていて「確かに金銭的価値は分かりやすい指標のひとつだ。だが数字の評価に囚われると、視界が狭くなる」という凪さんのセリフにはハッとさせられるものがあった。
ロマンを感じる漫画を探している人にはもちろんのこと、絵の密度が高めな漫画が好きな人にオススメなので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
【最新刊】瑠璃の宝石3巻の発売日
- Q瑠璃の宝石3巻はいつ頃発売ですか?
- A
2022年10月15日発売予定です。
瑠璃の宝石を無料で試し読みする方法
瑠璃の宝石はエンターブレインが出版している漫画誌・ハルタで連載中なので、ComicWalkerより無料で第1話を試し読みできます。


