芯が通っている真面目さも、貫き通せばただの変人。
正論が必ずしも、正解かどうか分からないのが、世の理不尽さを物語っていますよね。
さて、今回紹介するビューティフルプレイスは、内戦下の日本で生きる女子高生たちの、無法地帯の中で輝く強烈な個性を感じるガンアクション漫画です。
ビューティフルプレイスのあらすじ
女子高生・花沢シモンは学校で行われている挺身活動に参加する。
そんな彼女の共感を務めるのはクセの強すぎる同級生・高阪桃子だった――。
ネタバレ注意!ビューティフルプレイスを読んだ感想

作者・松本次郎さんの著書
狂人武闘派よりも真面目なお嬢様の笑顔にビビる
正直な話、読み始めて数ページでミスったかも……って不安になったんですけど、最終的には表紙買いして正解だったわって、評価は反転しました。
表紙に描かれている高阪桃子という女の子に、自分はクール系というか、硬派なカッコよさを期待して本作を手に取ったので、まさか狂人キャラだとは思いもしませんでした。
桃子は血の気が多い武闘派でガサツ。
分かりやすい怖さ、イカレ具合なんですよね。
そんな彼女は教官役を務めることになるんですけど、自分が魅力を感じたのは花沢シモンという女の子で、生真面目な委員長タイプなのに笑顔から底知れぬ圧を感じます。
荒廃した世界において、善悪を決めるのは凄く難しい。
彼女は自分の正義感と、どう折り合いをつけるのか。
そういうモヤモヤを抱えながら行動しているように感じるんですけど、桃子の脅しに屈しない精神力と強さ、敵視点に立ったときの笑顔の怖さに読んでいてゾクゾクしました。
内戦下の日本で生きる女子高生たちのガンアクション。
学校教育の一環で挺身活動に参加するとのこと……。
なぜそういう状態にあるのか?
どういう組織が敵対しているのか?
この世界における男性はどういう立ち位置なのかetc.
キャラクターの会話から自然な形で世界観が説明されているので、進行はややゆったりに感じます。
近未来SFというよりかはヤンキー漫画のような読み心地
荒廃した世界観の漫画ということで近未来SFを想像して購読しましたが、実際に読んでみると、一昔前のヤンキー漫画を読んでいるような感覚に近いものがあります。
桃子とシモンのタイマン描写は、下書きの延長みたいな線画で繰り広げられているんですけど、躍動感もシュールさも兼ね備えていていました。
濁っている世界で荒々しく生きる人たちの表現力がとにかく凄くて、物語がどう動いていくのか、相反する二人がどういうコンビになっていくのかとても楽しみです。