服を買いに行って店員さんに話かけられたり、仕事を頼まれたり、嫌だなぁと思いながらも嘘をつけないし、他人に厳しくもできないから、ババを引くときってありますよね。
こういうのって本当に話を聞いたら終わり。
変に情とか責任感が芽生えてしまうんですよ。
さて、今回紹介する虎は龍をまだ喰べないは、虎が捕食しようとした龍がまだ小型の個体だっために見逃す選択をしたことで、二人に変な関係性が生まれるファンタジー漫画です。
おねショタかと思いきや、虎のお姉さんのどこか抜けている性格と、龍の弱い立場を利用する生意気な性格が描かれる、ショタおねな関係性に驚かされました。
虎は龍をまだ喰べないのあらすじ
【ネタバレ注意】虎は龍をまだ喰べないを読んだ感想
一七八ハチの作品
おねショタ並びにショタおね好きにささる漫画
優れた実力を持つ者同士の戦いを、竜虎相搏つと表現されますが、実際にその二匹が戦ったらどちらが勝つんですかね?
普通に考えたら、空を飛べて、体格でも勝っている龍のほうが強いと思うんですけど、この漫画では虎が捕食する側として描かれています。
自分は年上のお姉さんとか、クール系ヒロインとか、大人っぽい女性キャラが好きなので、おねショタじゃん!って喜んでたんですけど、まさかのショタおねなんですよね。
自分はショタに対してなんの感情も抱かないうえに、虎のお姉さんの庇護欲を利用しようとするクソガキっぷりにイラっとするんですけど……。
それ以上に虎のお姉さんのどこか抜けている可愛さ。
艶めかしい唇や腹筋の大人っぽいカッコよさとのギャップがエグイんですよね。
ストーリー云々ではなく絵で魅了してくれる漫画といいましょうか。
ヲタクにささるような色んなフェチが詰まっていて、もう眼福です。
動物の本能と擬人化表現による理性の描き方が上手
この漫画の何が魅力かって、肉食動物本来の姿の迫力と本能、擬人化された姿の理性が上手い具合に融合されていることなんですよね。
絵を見るのが好きな自分にとって、デフォルメされて可愛らしくなった姿ではなく、野生動物の毛並みや鱗の質感がリアルに表現されている本作は、読んでいてめちゃくちゃ楽しい。
そこに、擬人化することによる複雑な感情表現を加えることによって、物語の厚みが出ています。
現実でも、肉食獣と草食獣の友情や、種を超えた助け合いを捉えた映像が稀に見られますが、それはその一瞬の奇跡で、持続するかどうかは分かりません。
本作では一度捕食するのをためらってしまった。
言葉を交わしてしまったがゆえに。
友情でも恋慕でも、母性でもない。
最後まで面倒をみないといけない謎の使命感に駆られている複雑な心理描写が印象に残りました。
例えば、歩道で困っている車椅子の方がいたら、手を貸すと思うんですけど、その後にどこまで行きますかって尋ねないと、気持ち悪さが残りませんか?
相手の感謝の言葉をもって善意が完了するみたいな。
こっちから、終わらせてはいけないみたいな……。
二匹の関係性は、龍が虎の庇護欲を利用するところから、次第に変化していきます。
単純な言葉では言い表せない二人の関係性と行動原理。
世界観や雰囲気で読者を魅了してくれる、しっとりと読める漫画が好きな人に超ささると思います!
【最新刊】虎は龍をまだ喰べない3巻の発売日
- Q虎は龍をまだ喰べない3巻の発売日はいつですか?
- A
2023年9月15日発売予定です。