グーグルマップでお店を検索したり、行動範囲を道一本広げたりするだけで、思いがけない場所に喫茶店を発見することがあるんですよね。
今回紹介する雑貨店とあるは、生活雑貨を取り扱うかたわらで喫茶店としても営業しているグルメ漫画であり、従業員やお客さんの人間模様を描く日常系漫画。
雑貨店とあるのあらすじ
とある町にある1軒のお店。
そこはのんびり店長としっかり者の男子高校生が迎えてくれる美味しいスイーツが密かな人気の雑貨店。
疲れたサラリーマン、自信がないOL、学校へ行けない少女、家族と似ていないと悩む少年…そんな彼らを癒やしてくれる本日のメニューは!?
ネタバレ注意!雑貨店とあるを読んだ感想
作者・上村五十鈴さんの漫画
疲れた心にしみわたるスイーツが描かれる漫画
物語の舞台は、見ていくだけのお客さんが多く、高校生の従業員から心配されるほど、暇な時間が多い雑貨店。
自然素材で手作りの日常雑貨を取り扱っているため、ひとつひとつが割と高価。
100均でなんでも購入できる時代だからこそ、職人がこだわって、丁寧につくりあげた工芸品に惹かれる気持ち、凄く分かりますよね。
お皿やマグカップも、ちゃんと選んで買ったものは、大切に使おうって気になりますし、毎日が楽しくなります。
近所にこういうお店があったら…散歩中に都会が羨ましくなる瞬間ですね。
店長はゆっくりした時間を過ごして欲しいという気持ちから、店内にカフェスペースを設けていて、そこを利用しているお客さんとの交流が、本作では描かれていきます。
登場するスイーツや料理はどれも美味しそう。
商品の説明も丁寧で、グルメ漫画としての魅力も兼ね備えていました。
本作は主に、お客さんの悩みや従業員の過去から話が膨らんでいくんですけど、雑というか、強引というか、読んでもスッキリするものではありません。
が、最後には上手く話しがまとまっていて、凄いなと感心しました。
他の人にはそれだけ?
と思われる悩みも当事者にとっては深刻だったりしますからね。
ある意味、現実的で、自分は好きだったりするんですけど、まぁ好みは分かれるかなと思います。
性格も、悩みひとつとっても、現実にはもっとヤバいやつがいますから、自分はその荒さにむしろ人間味を感じました。
おおらかな店長に心をほぐされる
本作の魅力はなんといっても店長の包み込むような懐の深さ、優しさ。
クセの強い登場人物が多いので、物語の根幹を支える店長の底抜けの明るさは読んでいて心地よいものがあります。
クレームに対応する姿勢は、それが正解だと理解していても、自分だったら真似できないなってレベルで感嘆しました。
想像していた人間ドラマや、ハートフルな物語ともちょっと違うし、穏やかな漫画とも言い難い。
でも、読後には爽やかさが勝っている不思議な読み心地で、凄く好きなタイプの漫画です。
雑貨店とある(最新刊)4巻の発売日
雑貨店とある4巻は2021年12月16日に発売予定です。
雑貨店とあるを無料で試し読みする方法
雑貨店とあるは芳文社が刊行している漫画誌・週刊漫画TIMESで連載中なので、公式サイトより無料で第2話まで試し読みできます。