怪談を聞いていても、妖怪の話が出てくることはほとんどない。
想像の産物か、それとも神隠しという言葉があるように、別世界の生き物なのか、興味は尽きない。
今回紹介するとなりの妖怪さんは、妖怪と人間が共生している世界観のなかにある日常と、少し不思議な出来事を描いている漫画で、妖怪として生まれ変わったときに、自分はこれからどう生きていくのかという苦悩や葛藤が描かれています。
nohoさんの温かみのある絵柄が、ほのぼのとした雰囲気を上手く演出していて、そこに仄暗い話が2割ほど交じっているという大人向けの面白さがある漫画です。
となりの妖怪さんのあらすじ
【ネタバレ注意】となりの妖怪さんを読んだ感想
猫又のぶちおの成長をほのぼのとした雰囲気で描く
本作は妖怪と人間がなんの違和感もなく共存している世界観で、小学生の男の子が「ウチのネコ、猫又になるかもしれんくて……」と話しているところから、物語が始まる。
今までは分からなかったネコの気持ち。
それが猫又になった今は伝わる。
ぶちおは「猫又ってただでさえ目立つし……そもそも僕こんな顔で笑われるし」と、ネガティブな感情を爆発させていて、少しずつ社会に順応していく。
猫又にはどんな力があって、自分はこれからどうなりたいのか。
高校生が自分の進路に悩むように、ぶちおは周囲の助けを借りながら成長していく。
なんでもない日常のそばに潜んでいる不思議な出来事
8割くらいは田舎で過ごす妖怪たちのごく普通の日常漫画っていう感じ。
だが、むーちゃんという少女のお父さんが“虚無”に飲み込まれた話や、ぶちおの先生役を請け負った化け狐の百合さんの過去など、緊張感のあるエピソードもちゃんとある。
有名な都市伝説“きさらぎ駅”も描かれていて、想像をかき立たせる。
書店で手に取ったときに「重たい」と感じるほどページ数がけっこうあって、飽きがこないような物語の構成もまた、となりの妖怪さんの魅力だろう。
時間をかけてゆっくり読める漫画とか、家族で回し読みできるような漫画を探している人に超オススメなので、興味がある人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
【最新刊】となりの妖怪さん4巻の発売日
- Qとなりの妖怪さん4巻の発売日はいつですか?
- A
2022年4月7日発売です。
【無料】となりの妖怪さんを試し読みする方法
となりの妖怪さんはイースト・プレスが運営しているWEBマンガサイト『マトグロッソ』で連載中なので、第6話まで無料で試し読みできます。