目新しい設定が無いと、普通と切り捨てられることが多いんですけど、高校生活だけに焦点を当てて描くって、そのシンプルさは逆に挑戦的だと思うんですよね。
さて、今回紹介するスキップとローファーは、分かりやすいラブコメ展開も無ければ、部活動に熱中するわけでもなく、天然な言動が愛おしい女子高生の学園生活を中心に描かれる青春漫画です。
スクールカーストや思春期特有の自己嫌悪など、誰もが経験している学校生活の嫌な部分を色濃く描き、それを天然パワーが吹き飛ばしてくれる素晴らしい漫画でした。
スキップとローファーのあらすじ
【ネタバレ注意】スキップとローファーを読んだ感想
著者・高松美咲さんの漫画
スキップとローファーの著者・高松美咲さんは、カナリアたちの舟やアメコヒメを描いていました。
どこにでもある設定で唯一無二の物語になっている凄さ
学園漫画って全部同じにみられがち。
まぁ、どのジャンルにも学校は出てくるし、漫画の主人公で一番多いのが高校生設定なので仕方が無い部分ではあります。
だからこそ、特別な設定を加えず、学園生活一本勝負でここまで面白くなっているスキップとローファーが凄すぎるし、漫画好きとしてかなり驚かされました。
もちろん特殊な事情を抱えているキャラクターはいます。
ただ、スキップとローファーの魅力は、やはり主人公・岩倉美津未の天然な性格なんです。
これもまた凄いところで、天然キャラなんていくらでもいるはずなのに、この漫画を読み終わったらもう、似たようなキャラを思い出せなくなりますよ。
ありふれた設定で、唯一無二感を出してる凄さ。
学園漫画が好きな人はマストバイと言っていいでしょう。
ポジティブと同等のネガティブを抱えている
ここまで、天然キャラ推しされていると、凄い爽やかでポジティブ一辺倒な漫画って思うでしょ?
学校生活の嫌な部分を色濃く描いてるのに、ハッピーな漫画って感想に着地するから凄いんです。
田舎から上京したスキップとローファーの主人公・岩倉美津未は、勉強はできるんだけど、同級生が少ない過疎地で育ったから、コミュ力がちょっと低い女の子。
そんな彼女は偶然、学年トップのイケメン男子・志摩くんと出会うんですけど……。
これがまぁ女子のなかで火種になって、美津未を惑わすことを言ってくるヤツがいるわけです。
田舎の学校は人数が少なくてみんな友達って感じだったのに、都会に出たら人間関係がこんなにも難しいとは思わなかったと悩むことになる美津未。
でもそれは美津未だけではなくて、みんなに共通していることなんですよね。
イケメンで完璧にみえる志摩くんだって詮索されたくない過去があるし、美津未に嫌味を言うやつだって自己嫌悪で苦しんでいる。
自分が学生の頃は意識したことなかったけど、確実にスクールカーストって存在しますよね。
それが一番見えやすいのが恋愛。
なんであんなのと付き合ってんの?って言葉を聞いたのは、一度や二度じゃありません。
自分が器の小さい人間だと気づいたときにどうするか。
他人に嫉妬したときに踏みとどまれるのか。
集団生活から簡単に逃れられない学校生活。
思春期特有の悩みがちゃんと描かれている漫画なんです。
このマンガがすごい2020オトコ編で第7位。
マンガ大賞2020では第3位にランクインした今話題の日常系漫画。
興味がある人はぜひ読んでみてください。
【最新刊】スキップとローファー10巻の発売日
- Qスキップとローファー10巻の発売日はいつですか?
- A
2024年3月22日に発売です。