漫画を読んでいると特殊能力に憧れる瞬間ってあるんだけど、心を読む力だけは、デメリットが大きすぎて、微塵も欲しいと思わない。
今回紹介する『声がだせない少女は彼女が優しすぎると思っている』は、失声症の影響でコミュニケーションがうまくいかない転校生を、心が読めてしまうせいで人と距離を置いている、不器用な少女が助けてあげる優しい世界観が魅力の漫画。
次にくるマンガ大賞2020で第8位にランクイン。裏表のない言葉のやりとりが響く内容なんだけど、重たさを感じないのが個人的によかったところです。
声がだせない少女は彼女が優しすぎると思っているのあらすじ
声のだせない少女と心が読める少女が織りなす優しい世界。
失声症で声が出せない少女・真白が出会ったのは、ぶっきらぼうだけど心が読める女の子・心崎でした。
真白の嘘偽りない心の声をすくいとり、不器用な優しさで真白を助ける心崎。
2人が織りなすまっすぐで優しい世界は、やがて周囲の人たちを温かく変えていく。
声がだせない少女は彼女が優しすぎると思っている1巻より引用
声がだせない少女は彼女が優しすぎると思っているの魅力
声が出せない少女と心が読める不器用な少女が出会う漫画
漫画を読むメリットの話をするなら、科学的なことよりも、この世の中にはいろんな人がいることを知れるという部分が一番だと思う。
病気は目に見えるものが全てではない。
元気そうな人が心の闇を抱えていることもあるし、自分の小さい物差しで他人を測ろうとすると、相手を傷つけてしまうかもしれない。
陰口を言っているクラスメイトや理不尽な上司。
漫画を読んでいると反面教師になる場面がめちゃくちゃ多くてタメになる。
声がだせない少女は彼女が優しすぎると思っているは、失声症の影響でクラスにうまく馴染めない転校生・真白音を、心が読めてしまう心崎菊乃がさりげなく助けてあげる、不器用だけど裏表のないやりとりが魅力の漫画。

©矢村いち/秋田書店
心の声が聞こえるなんて、想像しただけでも恐ろしい。
笑顔の裏にある、嘘や暴言。
それを聞き続けて人間関係がうまくいくわけがない。
だが真白の心の声は純真無垢。
コミュニケーションがうまくいかないのは、自分のせいだと責め続けていた。
だからこそ心崎は放ってはおけなくて、紙に書いた手書きの文字以上に、真白の本音をくみ取ることができている。
設定以上にも物語が重すぎないというのも魅力

©矢村いち/秋田書店
こういう病気が絡む作品はどうしても雰囲気が重くなりがち。
ただ、本作の場合は心の声も“うるさい”と思うレベルの描写に留めているので、読んだ後に精神的なダメージが残ることが無かった。
しかも、真白がなぜ手書きにこだわっているのか?
引っかかる部分を1巻で解消しているのも良かったと思う。
心が温まるような優しい世界観が好きな人に超オススメなので、興味がある人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
2巻の発売日【最新刊】
声が出せない少女は彼女が優しすぎると思っている2巻は2020年11月6日に発売です。
出版社や連載誌はどこか?
秋田書店が刊行している漫画誌・週刊少年チャンピオンで連載中なので、書店で探すのならBEASTARSやSHYの近くにあると思います。
本作に興味がある人には、スキップとローファーもオススメです!


