気づいたら性別が変わってる!?みたいな描写があると思うんですけど、鏡に映る姿は別人でも中身は自分なわけで、冷静に考えたら興奮している暇なんて無いですよね。
さて、今回紹介する異世界ありがとうは、同窓会で意気投合した男二人が揃って異世界転生して、しかも美少女化してしまう、いわゆるTSモノのファンタジー漫画になります。
有象無象の異世界転生漫画とは違って、今後の生き方をちゃんと迷うし、動物を殺生するのをちゃんとためらうし、オークはちゃんと怖いし、人間らしさのクオリティで頭一つ抜けていました。
異世界ありがとうのあらすじ
【ネタバレ注意】異世界ありがとうを読んだ感想
原作者・荒井小豆さんの作品
人間らしい感情とテンションがある異世界転生漫画
異世界転生をよく読む自分からしても、物語の開幕の行動については、違和感を拭えないんですよね。
虫一匹倒せない人間が圧倒的に多いなか。
いきなりイノシシやゴブリンを倒すなんて、どう考えても無理があるでしょう。
自分の命がかかっていたとしても、火事場の馬鹿力を発揮するより、殺生する決断を下せず、迷っている間にやられる可能性の方が高いと思うんですよ。
もちろん、フィクションだし。
そんなこと言ってたら話が進まないのは理解しているんですけどね……。
だからこそ、1話目で現在の状況にちゃんとビビっている転生漫画は安心して読めます。
奇抜な設定でおお!ってなるのは最初だけ。
結局、大事なのは異世界に行った日本人感をどれだけ大切にできるか。
転生する前に培った倫理観と、異世界の常識をどう擦り合わせて変化していくのか……。
異世界ありがとうはそういう部分をちゃんと描いている漫画なので、めちゃくちゃ期待しています。
アラサー男性ヲタク二人の地道に成長する珍道中
趣味が同じ二人で転生したってのも強みで。
興奮や恐怖を、喜怒哀楽を共有できるから、最初からテンション高めな会話が繰り広げられて、読んでいてめちゃくちゃ楽しいんですよね。
目の前の美少女が知人だと気づく、とりあえず揉む、ぶん殴る流れとか。
異世界転生で一番大事なのは顔だと言い切るところとか。
スライムに泣かされるもダメージめっちゃ低いとか。
ドッキリを疑うもドラゴンの登場で現実を知るところとか。
特にオークがちゃんと怖い存在として描かれているところとか、異世界転生に不満を抱いている人からすると、いいわぁってなると思いますよ。
殺生するのも、街に行くのも一苦労。
自分たちは美少女になっているもんだから、悪い人間にも狙われてしまうし……。
中身がオタクのおっさんの美少女ふたりは異世界で何を得るのか。
大冒険をするのか、それとも珍道中を楽しむのか。
ハードモードが待っているのか。
これからが楽しみですね。
【最新刊】異世界ありがとう4巻の発売日
- Q異世界ありがとう4巻の発売日はいつですか?
- A
2023年7月19日に発売予定です。