普通に考えて、機械の方が正確で美しい出来栄えになるはずですし、なによりも安価に購入できますから、いいとこづくめなはずなんですけど……。
期間限定と同じく、職人の手作業って言葉に強く惹かれる自分がいるんですよね。
さて、今回紹介する神田ごくら町職人ばなしは、桶職人や刀鍛冶など、江戸時代に生きていた職人たちの技と意地が、珠玉のドラマとともに圧巻の美しさで描かれるお仕事漫画です。
黙々と仕事をこなす職人たちの息遣いが聞こえてきそうなほど、静寂な空間を表現する画力に圧倒される、絵だけでおすすめできる素晴らしい漫画でした。
神田ごくら町職人ばなしのあらすじ
【ネタバレ注意】神田ごくら町職人ばなしを読んだ感想
画力重視の方におすすめできる漫画
絵が上手い漫画は最近もちょこちょこ読んではいるんですけど、神田ごくら町職人ばなしは時代背景からくる空気間含めて、ちょっとレべチに感じました。
絵を眺めるために、何回も読み返す。
職人が黙々と仕事している描写が本当にいいんですよ。
息遣いが聞こえてきそうな静けさが伝わってきます。
神田ごくら町職人ばなしは、主人公がいるストーリー性のある作品ではなく、どちらかといえば短編集に近い読み味の漫画でした。
わかりやすく話が面白い漫画ってわけじゃありません。
世界観に浸る、知的好奇心をくすぐられる。
そういう感覚を味わえる大人向けの漫画な印象を受けました。
江戸時代の職人の日常風景が描かれるお仕事漫画
まぁ、そもそもの話、歴史を題材に絡めている漫画は読む人を選びますよね。
血生臭いか、小難しいかの二択。
アニメ化よりもドラマ化されるイメージ。
しかも、どうしても読者側の見る目が厳しくなっちゃうんで、難しいジャンルだと思います。
完全に史実に寄せるのか、フィクションに寄せるのか。
中途半端な作品にはケチがつきがち。
その点、神田ごくら町職人ばなしはめっちゃ読みやすい漫画でした。
もちろん流血描写や今の時代からは考えられない価値観とかはありますけど、それを含めての歴史漫画ですし、職人の仕事っぷりが中心に描かれているので他にない読み味になっています。
個人的に感嘆したのは紺屋のエピソード。
紺屋とは藍染を行う染物屋をさす言葉。
素手で染め物をする影響で、手が青く染まってしまうらしく、作中でも手が色濃く描かれています。
少し調べれば出てくる情報なので、当然と言われたら当然ではあるんですけど、フィクションに甘えても仕方が無いと思える細部をちゃんと描いたのは凄いなと思いました。
素材勝負のシンプルイズベストな漫画
発売日から1ヶ月でamazonのレビュー数は200以上。
こういう漫画がちゃんと評価される時代が来ていますよ。
あわよくば、隠れた名作から人気漫画になる日が来ることを願っています。
波乱万丈・喜怒哀楽を生み出しやすい武士ではなく職人。
余計な味付けをせず、素材本来の味を極限まで活かしたような神田ごくら町職人ばなしは、決して万人受けするような作品ではありませんけど、好きな人は絶対好きですから!
渋い!玄人向けの漫画を探している人に超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください
【最新刊】神田ごくら町職人ばなし2巻の発売日
- Q神田ごくら町職人ばなし2巻の発売日はいつですか?
- A
1巻と記載されているので発売される可能性は高い。
発売日未定ですので、詳細が分かり次第追記します。
【無料】神田ごくら町職人ばなしを試し読みする方法
神田ごくら町職人ばなしはリイド社が運営しているトーチwebで第2話まで無料で読めますよ!