今でこそ結婚は人生における幸せの象徴みたいなところがあるんですけど、時代が違えば、国や文化が違えば、そこには恋愛感情が介入する余地がなくて、不幸の始まりだったかもしれません。
さて、今回紹介する乙嫁語りは、19世紀後半の中央アジアで暮らす遊牧民や定住民の恋愛事情を歴史的背景に絡めて描く漫画で、適齢期になったから村や親族のために結婚する、今の時代では考えられない感覚がありました。
とはいえそれが不幸かどうかは別の話で、夫婦としての成長や、民族同士の争い、愛する人に全てを捧げる覚悟など、濃密な人生がとんでもない高画力で描かれている凄い漫画でした。
乙嫁語りのあらすじ

中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。
美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。
遊牧民と定住民、8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか……?
『エマ』で19世紀末の英国を活写した森薫の最新作はシルクロードの生活文化。
馬の背に乗り弓を構え、悠久の大地に生きるキャラクターたちの物語!
【ネタバレ注意】乙嫁語りを読んだ感想と内容紹介

作者・森薫が描いた漫画
乙嫁語りの作者・森薫さんはエマやシャーリーを描いていました。
中央アジアで生活している遊牧民の恋愛や歴史背景が描かれる
今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介は乙嫁語り!
マンガ好きで読んでないやつはおらんやろってレベルの漫画なんですけど、マンガ大賞2014で第1位に輝いてから年月が流れ過ぎているのに気づいてから、最近マンガ沼にハマった若者に再布教しておきます。
乙嫁語りの魅力はなんといっても海外の歴史や文化を描いている希少性と、織物や刺繍などの伝統工芸品、生き物の躍動感を見事に描く、森薫先生の高画力にあります。
月刊誌で連載されている漫画なので1~2年に1冊しか単行本が発売されない待ち遠しさはあるんですけど、それを吹き飛ばすだけの満足感が凄いんですよ。
最初こそ物語の主人公は一番最初に登場するカルルクとアミル夫妻だと勘違いするんですけど、途中からこの物語の視点はスミスというイギリスの青年が担っているのだと気づかされます。
民族や文化に興味がある彼の旅路。
出会った乙嫁たちの物語が紡がれると同時に、政治的背景や緊張感を同時に味わうことになるんです。
とはいえそれは物語中盤以降の話で、最初は素直に恋物語を楽しめます。
一番最初に登場するカルルクとアミル夫妻には年齢差があって、12歳で結婚したカルルクはその時代のその場所では結婚適齢期とはいえ、誰がどうみてもまだ少年。
男らしさに悩み、焦るカルルク。
そんな彼を包み込むような優しさで受け止めるアミルの夫婦愛が描かれていて、これがまぁ凄く良い雰囲気。
双子同士の結婚や、一夫多妻制と姉妹妻という制度など、現代日本からするとありえないけど、興味深い内容が描かれていて、読んでいてとても楽しい恋愛漫画になっていますよ。
ページをめくる手が止まるほど緻密で綺麗な描写が多い漫画
漫画の誉め言葉としてページをめくる手が止まらない!みたいな表現がありますけど、乙嫁語りはその逆です。
思わず手を止めてじっくりと眺めてしまう描写が本当に多いんですよ。
しかも、後から何度も読みたくなる漫画なんですよね。
馬や鷲のリアリティのある質感、躍動感は本当にレべチで感嘆しました。
え、絵が上手すぎる……!!
絵だけで推せるのに、ストーリー構成も上手すぎる!!
自分が今までに読んだ面白い漫画10選をつくるなら、乙嫁語りは確実に入りますよ。
恋愛漫画が好きなあなたにはもちろん、画力が高い・絵が綺麗な漫画を探しているあなたに超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください!
【最新刊】乙嫁語り15巻の発売日

- Q乙嫁語り15巻の発売日はいつですか?
- A
2024年11月20日発売です。
【無料】乙嫁語りを試し読みする方法
乙嫁語りはKADOKAWAが運営しているカドコミで第1話まで無料で読めますよ!

最後にこれを読んだことがあるなら相性がいいよ!って漫画を紹介したいと思います。
