2020年1発目に漫画好きの話題をかっさらったのはこの作品だった。
この記事ではCOMIC BRIDGE onlineというWEBマンガサイトに掲載されている短編漫画『マイ・ブロークン・マリコ』の感想や魅力を紹介します。
そう、実はこの漫画の1話目が掲載されたときも『ヤバい漫画が始まった…』とSNS上で話題になっていたので、もしかしたら既視感がある人もなかにはいると思います。
親友の遺骨と旅に出る……この短編漫画はけっして面白い作品ではなく、感情を揺さぶられるドギツイ内容になっていますが、読後に余韻が残る作品が好きな人にオススメの一冊となっています。
読後に残る感情の正体が分からない。
マイ・ブロークン・マリコのあらすじ
ネタバレ注意!マイ・ブロークン・マリコを読んだ感想
面白いという感想が出るタイプの漫画ではない
常々思っているのは話題作=面白い漫画とは限らないし、面白いという言葉はあまりにも便利すぎるということ。
マンガ大賞2020にもノミネートされている短編集『夢中さ、きみに』は確実に面白い漫画と言えるのだが、本作に限っては万人にオススメできるとは言えないのだ。
不幸と不運が凝縮された人間ドラマが凄い
本作は作者のtwitterに記されているように友達の遺骨を奪って走る漫画だ。
主人公のシイノは仕事の休憩中に親友・イカガワマリコの死を知り、彼女のためにできることはないかと考えた結果が「まりがおか岬だって!行きたいねぇ」とかつて話していて行けなかった場所に、遺骨を持って向かうことになる。
ストーリーは一言で説明できるくらいとてもシンプルなのに、中身はとても複雑。
というのもマリコの人生は悲惨という言葉で片づけてはいけないほどに暗くて重い。
生まれ育った環境はまさに地獄で、出会う男の運にも恵まれないどころか「そーだよ。わたしぶっ壊れてるの」と無表情で平然と言う姿には鳥肌が立つ。
マリコが「もしシイちゃんに彼氏とかできたらわたし死ぬから」という姿には恐怖を感じる。
シイノとマリコは重い鎖で繋がれている……それでも親友なのだ。
マリコの死を止めれなかった後悔に苛まれながら、涙し、怒り、日常に戻っていく。
短編漫画ならではのスピード感がたまらない
マイ・ブロークン・マリコはストーリーの根幹がハッキリしていて、しかも主人公の感情に共感しやすいからとても読みやすい。
そしてなんといっても嫌味を言うクソ上司・なぜか再婚できるクソ野郎といった人間の醜さのリアリティは凄く腹が立つ。
読後には得体のしれない余韻・感情が残り、とてつもないインパクトを与えてくれる、そんな漫画だった。
マイ・ブロークン・マリコを無料で試し読みする方法
マイ・ブロークン・マリコはKADOKAWAが運営しているWEBマンガサイトComicWalker内のレーベル・COMIC BRIDGE onlineで掲載されているので、無料で1話試し読みできます。