現在所持している漫画も、初版帯付きで綺麗に保存しておけば、数十年後に何倍もの価値が付いているかもしれないって考えると夢がありますよね。
さて、今回紹介する百木田家の古書暮らしは、祖父の遺した古本屋を受け継ぎ、世界一の本屋街と呼ばれる神田神保町で暮らすことになった三姉妹の日常や恋愛模様が描かれるお仕事漫画です。
百木田家の古書暮らしのあらすじ
ネタバレ注意!百木田家の古書暮らしを読んだ感想
作者・冬目景さんの著書
古本屋の業務内容とプレ値が付いた本への知的好奇心をくすぐる
電子書籍の台頭によって、本屋の業績がますます苦境に立たされているとは聞きますが、それこそ街の本屋さんとか、古本屋さんとか、これからどうなってしまうんですかね。
自分もコロナ禍を経験したことで、衛生面は昔以上に気にするようになったので、どういう人間が何百回立ち読みしたか分からない中古漫画は一切購入しなくなりました。
とはいえ、プレ値が付いているヴィンテージコミックは全くの別物で、興味は尽きません。
百木田家の古書暮らしは、祖父の遺した古本屋を継ぐために、世界一の本屋街とも呼ばれる神田神保町で暮らすことになった三姉妹を描く漫画です。
小鳥遊とか、四月一日とか、五月七日とか。
漫画やアニメで読めるようになった名字シリーズに、百木田も追加しておきましょうか。
本の価格が高騰するにはいくつかの条件があって。
シンプルに何十年もの時が経っている。
当時は人気が無かったけど後から話題になった。
作者が没後も根強い人気がある。
出版社が倒産するなどで絶版になっている。
需要に対して数が少なすぎる。
メディア化作品の初版帯付きなど……。
古い=価値があるわけじゃないのが難しいところで、個人間取引が盛んな今、ちゃんと価格の正当性や背景を勉強しないと、カモられてしまいます。
古書店は査定や取引を行う本のプロ。
祖父の後を継いだばかりということもあって、知識不足だけでなく、祖父と自分の得意分野の違いで悩んだり、日々成長する様子が描かれていきます。
お客さんから出張買取するだけでなく、古書組合加盟のお店が利用できる市場で入札するなど、興味深い業務内容に読んでいてワクワクしました。
ちょっと重めで人間臭い恋愛群像劇が描かれる
百木田三姉妹の中で、古書店を継いだのは次女のツグミ。
長女のイチカは会社勤めで、三女のミノルはまだ高校生。
元々本好きで、コミュ障だから会社勤めが苦痛だったツグミにとっては、まさに転機。
物語の導入部分は少々強引に思えるんですけど、難しい仕事と複雑なプライベートの組立てはめちゃくちゃ上手いんですよね。
ラブコメよりも恋愛漫画、それこそ小説のような人間味を感じる恋愛群像劇は珍しいように感じます。
荒ぶる季節の乙女どもよとか、水は海に向かって流れるのような面白さに近い印象を受けましたね。
とある本を探す目的でツグミと仲良くなろうとしている男がいるし、イチカは初恋を忘れられずに深酒しがちだし、ミノルはDVされて依存体質になっている女友達と恋愛しているし……。
仕事とプライベートが別物だとはいえ、ねぇ。
寿司と焼肉を同時に食べれるバイキングみたいな。
どちらもメインみたいなハイカロリーな漫画でした。
フィクションにも清廉潔白さを求める人には向いていませんが、ラブコメよりも恋愛漫画が好きな人はハマると思いますよ。
【最新刊】百木田家の古書暮らし5巻の発売日
- Q百木田家の古書暮らし5巻の発売日はいつですか?
- A
2024年7月18日発売予定です。
【無料】百木田家の古書暮らしを試し読みする方法
百木田家の古書暮らしは集英社が運営しているヤンジャン!で第6話まで無料で読めますよ!