この記事では2020年11月4日に発売されたハイキュー45巻のネタバレ注意な感想を書いています。
44巻では今まで深掘りされていなかったのが不思議なくらいな影山の幼少期や、春高編を経てさらに成長した宮侑&木兎の進化などが描かれました。
その続きとなるハイキュー45巻はついに完結を迎えます!
あの白鳥沢の絶対的エースだった牛島もトップの世界では苦しんだ時期がある話からの、今までの試合を思い出させるかのような息を呑む激闘が描かれ、BJ対ADが決着します。
これ以上のスポーツ漫画に出会える気がしない、圧巻のラストを見逃すな!!
ハイキュー45巻のあらすじ
それぞれに信念を背負い、培ってきた力全てを注ぎぶつかり合う選手達…!
BJ対AD、決着!!
日向は牛島の猛打を止められるのか、そして影山との対決の結末は!?
バレー漫画の金字塔、ここに完結──!!
【ネタバレ注意】実際に読んだ感想と内容は?


ハイキュー45巻は何話から?
ハイキュー45巻は第394話『幸運な我ら』から最終第402話『挑戦者たち』まで描かれています。
佐久早と牛島のエピソードが描かれる
うわー、この巻を読んだらハイキュー!!が終わってしまう。
これから何年間もアニメ化が続くとはいえ、これ以上の物語は無いという事実が辛すぎますね。
何度も好きな漫画の完結を迎えた私でもハイキューロスはダントツでキツイです……。
さて、そんな話はさておき、ハイキュー45巻は、全国三大エースの内・唯一春高で試合が描かれなかった佐久早聖臣という人物像から描かれています。
佐久早の特徴は手首の柔らかさだと44巻で明らかになりましたけれども、今回描かれているのはプレイスタイルではなく、キャラクターをもっと知ろうって感じ。
影山が代表に選ばれたときに佐久早は牛島にどうやって勝った的な突っかかり方をしていましたけど、佐久早が牛島を意識していたり、高校No.1リベロの古森元也と従兄弟同士だという意外な関係性が明かされています。
超潔癖で几帳面な佐久早の特徴はスナップが生み出す強力な回転。
そして、サーブレシーブの上手さ。
彼がレシーブに磨きをかけるようになったのは、牛島の存在がきっかけであり、だからこそ影山と初めて会ったときに牛島がなんで負けたんだと気にしていました。
佐久早の「若利くんはなんでそんなに強い?」という質問に、牛島は「運が良いと思う」と答えています。
強者で在るために何度でも強さを捨てよう。
牛島の改良されたフォームから放たれる一撃はハンパなくカッコいいんですよね。
今までのグッと溜めてからドカンも好きなんですけど、淀みなく力が循環する綺麗な曲線のようなチュドンみたいな描き方も美しかった。
それにしても、あの牛島が悩むとはね。
フォーム改善のキーマンになったのが、高校時代のライバルだった岩泉一ってのもいいよね。
初戦を思い出すかのような日向と影山の激闘
最終巻とあって日向と影山の存在感もマシマシ。
漫画を読んでいて息つく暇もない感覚になるなんて、めったにありませんよ。
日向は自身を囮にするだけでなく、牛島のスパイクをAパスで返すまでに成長しました。
「今の日向のレシーブは、倒れない」
「膝をつかないレシーブだ」
それぞれのキャラクターの活躍に横断幕が浮かび上がる演出は、鳥肌が立つほどカッコよかった。
鴎台高校の『習慣は第二の天性なり』
井闥山学院の『努力』
梟谷学園の『一球入魂』
白鳥沢学園の『強者であれ』
稲荷崎高校の『思い出なんかいらん』
そして、烏野高校『飛べ』
激戦のAD対BJ戦が終わっても、まだ終わってほしくない。
まだ読みたいと思わせる描写が続くまま、ハイキューの完結。
ハイキュー!!シリーズを読み終わった総括
自分は古舘春一さんの前作『詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談』が好きだったので、打ち切りになったときは悲しかったし、ハイキューが始まったときはめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。
バレーボールを何も知らないド素人だった自分でも惹きつけられる、変人速攻という漫画ならではのフィクションと、それは必殺技なんかではなく、セッターの技術にすぎないという主人公にとって厳しい現実。
どのキャラクターも魅力的で『誰が一番好き?』って聞かれても、自分は答えはでません。
でも『すげえレシーバーは必ずしも目立つワケじゃないんだぜ』って、上手いリベロを表現する言葉は強く印象に残っています。
正直、この言葉はスポーツを見る目を変えてくれる名言だと思います。
何気ない普通のプレーにみえても、そもそもそこにいることがすごいんだよって、全国民が理解できたらスポーツ選手はもっと楽しくなるだろうな……そんな希望のある言葉ですよね。
個人的にハイキュー!!はスラムダンクやアイシールド21に並ぶ平成を代表するスポーツ漫画だと思う。
自分のメンタルが落ちたときに、何度もこの漫画を読んで前を向いています。
8年間楽しませてもらった感謝と、次回作への期待でいっぱいです。
ハイキューロスの読者におすすめの漫画3選
ぶっちゃけ、ハイキュー!!レベルで面白いスポーツ漫画なんて存在しないので、個人的にキャラクターが魅力的に描かれているおすすめの漫画を3つ紹介したいと思います。
ワンダンス『珈琲/講談社』
ダンスに没頭しているヒロインに魅了されて、主人公が未経験からダンスを始めるスポーツ漫画。
吃音を抱えている主人公が不器用ながらもコミュニケーションをとる姿は応援したくなりますし、ダンスの描写はエグいほど美しいし、2025年にアニメ化される大注目の漫画ですよ。
COSMOS『田村隆平/小学館』
人の嘘が見抜ける主人公が出会ったのは、冗談ではなく本物の宇宙人だった。
というところから始まる物語なんですけど、べるぜバブの田村隆平先生が描くSF漫画ということで、喜怒哀楽の揺さぶりがめっちゃうまくて、重いけど重すぎない絶妙なバランス感覚なんです。
やっぱり、殴られてる側の表情がいいから、読んでいて気持ちいいんですよ。
バーサス『ONE・あずま京太郎・bose/講談社』
人類の天敵である魔王に苦しんでいる世界に突如として、同じように天敵に苦しんでいるいくつもの世界が繋がった……。
今までの状況が地獄だったのに、さらなる絶望が待っているのかと思いきや、そうだ!天敵同士で争わせればいいんじゃね?っていう発想力が凄すぎて、さすがONE先生原作の漫画ですよ。