【路傍のフジイ】マイペースに自分の人生を楽しんでいる中年男性に惹かれる日常系漫画

結婚できない男という阿部寛主演のドラマがありまして、当時は夕方から再放送されていたものですから、子供心ながら孤独ライフを楽しむ姿は印象深く残っています。

ちなみに2019年に放送されたまだ結婚できない男は、当時ヒロイン的役柄だった夏川結衣さんが出演されていないとのことで、視聴していないんですよね。

さて、今回紹介する路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜は、地味で冴えない中年男性の主人公・藤井の謎に満ちた私生活が描かれる日常系漫画です。

自分の趣味や人生、楽しいという感情すら名前も知らない誰かの視線や意見を気にして生きている、現代人の私にはなんとも耳が痛い話でクリティカルヒットする漫画でした。

【無料】路傍のフジイを試し読みする方法

まずはじめに路傍のフジイに関する基本情報や、こういう作品が好きなら相性がいいよ！って漫画をいくつか紹介したいと思います。

路傍のフジイは小学館が運営しているマンガワンで第3話まで無料で読めますよ！

路傍のフジイのあらすじ

【ネタバレ注意】路傍のフジイを読んだ感想

著者・鍋倉夫が描いた漫画

自分の物差しで他人の人生を測る愚かさを痛感させられる

スパンと頭を叩かれたかのような軽い衝撃でした。
自分はどうなんだって考えてしまうくらい……。
やっぱり、自分の物差しで誰かを測ろうとするのはよくないですよね。

何に楽しみを見出すかは人それぞれ。
世の中には無限に趣味がありますし。
価値観が同じ人間なんて存在しません。

食事目的で旅行する人もいれば、食事は一日一食で栄養補給くらいにしか興味ない人もいます。

ハイブランドの服でオシャレを楽しむ人もいれば、まったく同じ服を3着くらい所有していて、着回しコーデする人もいるでしょう。

映画は友達や恋人と一緒に観たい派の人もいれば、ひとりの時間を邪魔すんな派の人だっています。

今の時代は昔ほど結婚願望も高くありませんし、独身＝何かしら問題があるって認識は早々に捨てるべき考え方ですよね。

別に誰に対して何を思おうが個人の自由。
それがネガティブなことだとしても。

でも、それを口に出した時点で、言葉に対して責任が生じるということは肝に銘じておかないといけません。

路傍のフジイは、悩みを抱えている周囲の人間が、職場で目立たない中年男性主人公・フジイの言動や生き方に少しずつ影響を受けていく日常系漫画です。

友達が多いわけでも、恋人がいるわけでもない。
仕事人間なわけでも、お金持ちなわけでもない。
もう若くはないし、ここから人生に確変が起きる可能性は極めて低いでしょう。

それでも、彼は自分の人生に満足していますし、なんなら時間が足りないくらいだと思っています。

「この人がつまらない人間に見えたのは、俺自身がつまらないやつだからだ」

路傍のフジイ1巻45pより引用

このセリフ、めっちゃ共感できるし、つきささります。

自分に元気がないとき、心に余裕がないときって、すべてのことがつまらなく感じるんですよ。

漫画を読んでいて、10代の自分だったら楽しめたんだろうなって感じることが最近増えてきました。

テレビに出ているお笑い芸人って、基本的によく笑うじゃないですか。

それが仕事ではあるんですけど、面白い人間って、他人の面白さに気づく人でもありますからね。

自分より下の人間をみつけて安心するようになったら、心の健康状態が危ういサインです。

説教臭さを感じさせない主人公の話の間が魅力

こういう社会人が主人公の漫画って、嫌な人間のオンパレードで読んでいて嫌な気持ちになることがしばしばあるんですけど、路傍のフジイはまったく違うので安心してください。

いや、もちろん人間の嫌なところは存分に描かれるんですけど、フジイさんの反応がいいんですよ。

言葉選びもそうですし、なにより返事をする前に、相手の言葉を飲み込む間があるのが凄くいい！

自分だったらこうする。
でもそれが相手の最善だとは限らない。
みたいなワンテンポが会話の間にあるんです。

誰かの視線を気にして生きていないマイペースな主人公。
マジでこういうところ見習わないとなって思わされますよ。

フジイさんは別に相談に乗っているわけでも、他人の悩みを解決するわけでもありません。

ただ聞かれたことに関して正直に答えるだけ。
だから、わからないものはわからないってハッキリ伝えています。

綺麗事を言わずに、どう折り合いをつけるかは相手に委ねる。
こういう描き方をする漫画はあんまり無いですよね。
フジイさんの生き様は自分には超ささりました。

誰かの視線や意見を気にして、息苦しさを感じているあなたに超読んでほしい漫画です。

興味があるならぜひ読んでみてください！

【最新刊】路傍のフジイ2巻の発売日