1年のうちに多くの新作漫画が発売されるものの、これは凄い!と広まる作品はかなり少ない。
この記事では2018年度の最後の話題作となり、漫画好きたちのあいだで絶賛が相次いだ『パンダ探偵社』の感想や魅力を紹介します。

探偵物っぽいですね
タイトルからそう勘違いしてしましいそうですが、探偵はあくまでも職業であり、この作品は架空の奇病をテーマに描いた作品で、人間ドラマや小説・映画などが好きな人におすすめしたい漫画です。


大人向けの漫画ではありますね
パンダ探偵社のあらすじ
身体が徐々に動植物に変化していきやがて人格が失われる不治の病“変身病”。
パンダ化進行中の半田と学生時代の先輩・竹林は変身病に関わる案件専門の探偵業を営む。
そんな彼らに舞い込む5つの依頼、その結末は…⁉
ヒトでなくなっていく変身病者たちの覚悟と選択、そして残された者に宿る勇気と希望の物語。
トーチwebより引用
パンダ探偵社のストーリーと魅力
作者・澤江ポンプさんの漫画
パンダ探偵社の作者・澤江ポンプさんは過去に悟りパパという漫画を描いていました。
帯コメントが凄すぎて購入してしまった
ネームも、心を映す豊かで詩情溢れる絵も研ぎ澄まされすぎて、同業者として怖くて読むとき薄目になっています。『ラブロマ』『金剛寺さんは面倒臭い』――とよ田みのる
最新天才作家・澤江ポンプの不穏な抒情、機微にあふれる豊かな人間描写、堪能しました。売れてくれ、澤江!『レイリ』『バイオレンスアクション』――室井大資
澤江さんは、優しい目のまま、人間の矛盾だらけの本質を見続ける勇気を持った漫画家さん。本当に憧れます。『メタモルフォーゼの縁側』――鶴谷香央理
パンダ探偵社1巻より引用

帯って結構大事だったりするんですよね
探偵物ではなく病気と葛藤を描いている漫画
変身病という奇病にかかり、パンダの風貌になった主人公の半田が学生時代の先輩・竹林とともに変身病に関わる案件専門の探偵業を営んでいく。
この病気の行きつく先は人間としての記憶も心も失うという残酷なものだ。
半田自身パンダになりかかっていて人間としての終わりが間近に見えているぶん「忘れられないからヒトなんじゃないか。ヒトなんじゃないかよ」という強い思い、葛藤を抱えている。
そしてそれは変身病に関わるすべての登場人物に言えることなのだ。
トリになりかけている少女は嘘に敏感で、イルカになりかけている水泳選手は全てを失い、シカになりかけているおっさんは動物としての本能に目覚め、植物になりかけている少女はプレッシャーと戦っている……。
暗闇を抱えながらも光を探そうとしている人間らしさが濃く描かれていて、一度読んだらなかなか忘れられないのではないかと思う。
動物の本能はかなり強烈
変身病にかかり人間の心を失った男「肉が違う、骨が違う、血ィが違う」と笑顔で狂気にまみれた男に半田が“コイツころす”という動物的に思ってしまったシーンはかなり印象的だった。
発売と同時に漫画好きのあいだでかなり話題となったパンダ探偵社のストーリーに、人生というものを考えてみるのもいいのではないでしょうか。
パンダ探偵社(最新刊2巻)の発売日
パンダ探偵社は連載の更新がされていないため、2巻の発売日は未定ですので気長に待ちましょう。
パンダ探偵社の出版社と連載誌
パンダ探偵社はリイド社が運営しているWEBマンガサイト・トーチwebで連載中です。
本作を書店で探すのなら、サザンと彗星の少女や児玉まりあ文学集成の近くにあると思います。
レビュー記事>>>【児玉まりあ文学集成 感想】漫画との融合…文学少女との少し変わったラブコメ

以上、パンダ探偵社の紹介でした!