この記事では週刊ビッグコミックスピリッツ2016年第24号から2018年45号まで連載されていた、全9巻になるラブコメ漫画『猫のお寺の知恩さん』の感想や魅力を紹介します。

ラブコメというのも違和感
そう、遠い親戚のお姉さんとの同居生活を描いているわけですが、恋愛感情が表に出ているのではなくて、表情や仕草からにじみ出ている……現実の人間関係に近い漫画。
お寺というゆったりとした空間のなかで、高校生が考える将来と自分と家族のための未来、それぞれの選択が描かれていきます。


波乱がないというのも嬉しいポイント
猫のお寺の知恩さんのあらすじ
富士山さんは思春期のオジロマコトが描く、3つ年上のお姉さん。
無防備すぎる知恩さんのおかげでドキドキの新生活!?
のどかな田舎の高校に進学した源。
下宿先の、親戚のお寺で同居することになった3つ年上の知恩ねーちゃんは、しっかり者に見えてなんだかとっても無防備で……?
ダサくて、3つ年上で、働き者で、あっけらかんといい感じな知恩さんとおくる、のどかでソワソワ縁側ラブコメ!
猫のお寺の知恩さん1巻より引用
猫のお寺の知恩さんの魅力
作者・オジロマコトさんの漫画
猫のお寺の知恩さんの作者・オジロマコトさんは過去に富士山さんは思春期、そして週刊ビッグコミックスピリッツ2019年25号より君は放課後インソムニアという漫画を描いている。
詳細はコチラ>>>【君は放課後インソムニア 感想】不眠症に悩む高校生たちの青春夜物語
遠い親戚である知恩さんとの同居生活
県外の高校への進学を機に、遠い親戚が暮らすお寺に下宿することになった主人公の須田源は、小学校にあがる前に親の事情でそのお寺に預けられていたことがあるらしい。
どこを見渡しても山という田舎。
そんな彼を迎えに来たのは古寺澤知恩という親戚のお姉さんだった。
源は思春期の少年らしく“年上のお姉さん”にドキドキしているわけだが、いっぽうで知恩さんの対応はとてもクールで、昔のことを少しづつ思い出している源は『知恩ねーちゃんってあんなだったっけ』と疑問に思う。
そんな知恩さんは夕食のときに「うちの両親はお寺を継がず海外赴任してる。住職の祖父が亡くなってからはおばあちゃんと二人暮らしよ」と家庭事情について説明するのだ。
そして「もともとお寺だけじゃ食べていけないし、このままいけばうちはいずれなくなるわね」と厳しい現実も明かされている。

意外と重い漫画なんか…
と思うのは最初だけで、知恩さんのクールな対応には源が自分のことを忘れている意趣返しという意味合いがあって、本当の姿は“いたずら好きなお姉さん”なのだ。
セリフが少ないことの素晴らしさ
猫のお寺の知恩さんはセリフのないコマが多くて、そのぶん表情だったり仕草から“どう思っているのか”を考えさせられるのだ。
お寺が背景にあるということもあってか、ラブコメでもなければ恋愛漫画という感じも最後のほうまでしなくて、ゆったりとした時間の流れのなか、源も知恩さんの人生の選択をしていく。
私のように三角関係や波乱万丈な展開が苦手というひとにとっては最高な漫画だといえる。
猫のお寺の知恩さんの出版社や連載誌
猫のお寺の知恩さんは小学館が刊行している週刊ビッグコミックスピリッツで連載されていました。
本作を書店で探すのなら、ぽんこつポン子や早乙女選手ひたかくすという漫画の近くにあると思います。
詳細はコチラ>>>【ぽんこつポン子 感想】駄メイドと老人の交流を描くノスタルジックな気分になる漫画

以上、猫のお寺の知恩さんの紹介でした!