自分も睡眠前に余計なことを考えてしまって寝つきが悪かった時期があるので、眠れないツラさがよく分かる。
今回紹介する君は放課後インソムニアは、不眠症に悩む高校生の主人公とヒロインが、物置となっている天文台で睡眠と秘密を共有するうちに、部活としての活動も始めていく青春漫画。
君は放課後インソムニアのあらすじ
ネタバレ注意!君は放課後インソムニアを読んだ感想
作者・オジロマコトが描いた漫画
能登を舞台に描かれる眠れない夜の物語
主人公が通っている九曜高校には、立派な天文台があるにもかかわらず、天文部が廃部になっている。
その理由は、過去に恋愛が叶わずに飛び降りをした生徒の幽霊が出るからだと噂されていた。
そんな話で盛り上がる文化祭の準備中に、主人公の中身丸太は、自分の役割を終えたにもかかわらず女子に仕事を押し付けられて、ダンボールを探すことになる。
丸太は重度の不眠症で「昼間は死ぬほど頭が痛くてイライラして現実味がなくなってくる」というほど、常にしんどそうで「朝が来て絶望する」というセリフが症状の重さを物語っている。
ショートスリーパーならともかく、毎日寝落ちしていると考えると、そのしんどさは想像に難くない。
そんな彼が足を運んだのは幽霊が出ると噂の天文台。
まるで秘密基地みたいな場所で、寝転がってみれば居心地がよくて「ここ俺の場所にしよう」と決めるのだが、丸太は思いもよらぬ人に出会ってしまうのだ。
それは同じクラスの曲伊咲で、彼女もまた、丸太と同じく眠れない夜を過ごす仲間だった。
同じ秘密を抱える共犯者から部活の仲間になる
自分の弱みを人に教えることがどれだけ難しいことか。
ガチで眠れない状態を、寝てないアピールと一緒にされたらたまったものではない。
伊咲もまた天文台を「わたしだけの秘密の場所。自分で鍵もつけた」と秘密基地みたいに使用していて、丸太と一緒に改造していくことになる。
眠れない長くてつまらない夜を「おもしろくしよう!楽しくしててもツラくっても同じ朝が来るんだからね」と二人は、クラスの誰も知らない秘密を抱えた友人になっていく……。
オジロマコトさんの漫画の雰囲気は相変わらず素晴らしく、セリフのないコマでのキャラクターの表情がとても魅力的に描かれている。
二人の居場所を守るために、天文部を復活させる協力をしてくれる先生や、丸太にカメラを教えてくれるOGなど他の登場人物も凄く良い。
ラブコメよりも恋愛漫画のほうが好きという人や、雰囲気重視で作品を選ぶ人にオススメなので、興味があるのならぜひ読んでみてください。
君は放課後インソムニアを無料で試し読みする方法
君は放課後インソムニアは小学館が刊行している漫画誌・週刊ビッグコミックスピリッツで連載中なので、公式サイトより無料で第1話を試し読みできます。