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【進め!白鼻進】1930年代の戦争や表現規制の荒波に揉まれるマンガ家漫画【ネタバレ感想】

5.0
進め!白鼻進第1巻の表紙とあらすじを紹介する画像 歴史漫画
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Q
進め!白鼻進は面白い漫画でしたか?
A

興味深いという意味で面白い漫画でしたよ。1930年代の日本の出版業界がどうなっていたのか、度重なる規制表現に苦しめられるマンガ家の姿など、漫画の歴史を知れます。またネガティブなテーマでありながら作風自体はポップで読みやすいのも好印象でした。

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『進め!白鼻進』第1巻の読書感覚

進め!白鼻進第1巻の読感を伝える画像

進め!白鼻進を読んだ感覚の話をすると、戦争をテーマにした作品でありながら主人公の性格や作風は意外にもポップに描かれていて、読んでいて気が沈む感覚はありませんでした。また歴史漫画というジャンルの性質上、セリフなどの情報量は多くて『読書感』は高めの漫画です。

『進め!白鼻進』の内容と読んだ感想

進め!白鼻進の魅力を紹介する画像

point①.戦時中の荒波に揉まれるマンガ家漫画

今でこそ日本は表現規制ゆるゆるで、アメリカなんかよりもよっぽど自由の国だと思うんですけど、それでもクレジットカード問題やファンティア騒動など、何が起こるか油断できません。

もちろん、商業作家さんたちは出版社との契約下で、これは描いちゃダメですみたいな暗黙の了解がありそうですけど、今とは比にならない社会からの圧力があった戦時中に現役バリバリだったクリエイターたちは、行き場のない創作意欲をどうしていたのか気になりますよね。

さて、今回紹介する進め!白鼻進は、まさに1933年から1945年の終戦時までの激動の時代に生きていたマンガ家の紆余曲折が描かれていきます。

例えば私たちが一般教養として知っているアンパンマンの原作者・やなせたかし先生や、ドラえもんの原作者である藤子・F・不二雄先生、ゲゲゲの鬼太郎の水木しげる先生の作品が出版されたのは終戦後で、考えてみれば当然、名前が残らなかった無数のクリエイターたちが存在していたんですよね。

令和に生きる私たちにとってはアンパンマンやドラえもんこそが、アニメや漫画の原点みたいな感覚があります。でもそんな偉人たちにもクリエイターの卵だった時代があって、彼らの礎になった先人たちがいるわけで。進め!白鼻進ではそんな出版業界やマンガの歴史が描かれているのです。

point②.戦争を題材にしながらポップな雰囲気で読みやすい

コマ割りも統一された縦3コ、革命的にエレガント!
誰でも読める、誰も取りこぼさない!
それが漫画の《意味》であり《強さ》だった!
漫画ってこう描くんだ、初めて知った。

進め!白鼻進25p

やはり印象的だったのは主人公・白鼻進のこのセリフです。最近も漫画の読み方がわからない子供が増えているなんて話もありますけど、当時はそもそも作品によってコマや文字の流れ方がバラバラだったと聞いて目から鱗が落ちたといいますか、漫画の読み方そのものに歴史があるんだと感嘆しました。

しかも、主人公の白鼻進は漫画業界に革命をもたらした『のらくろ』をそのままパクろうとし、それがダメなら今流行りの物全部混ぜたらオリジナルになるだろとヒット作を生み出すのです。

今ならアウトだけど当時はセーフみたいな考え方の違いも面白いんですけど、今みたいに書店で売られるんじゃなくて、駄菓子屋や露店で紙製の玩具として漫画が売られていたという時世の話も好奇心をくすぐってきて、読み応えがありました。

しかも、白鼻進が革命的だと称したとおり、3コマベースで物語が描かれているので、戦時中というバックグラウンドがありながらポップな雰囲気で超読みやすくて驚きました。

point③.ヒロインとの関係性の変化がリアルすぎる

進め!白鼻進は社会情勢が戦前・戦時・終戦と変化するのに加えて、主人公自体が売れないマンガ家から有名マンガ家、そして先生と呼ばれるまで立場が変化していきます。それに連れまわされるようにヒロインのあんちゃんとの関係性も変化していくんですけど……。

これが超リアルで読んでいて胸がキュッとなります。婚約者だったころはすごく仲睦まじい口調だったのに、夫婦関係になってから自分の夢を諦めて、良い妻を演じているといいますか。今の時代だったら確実に離婚しているんだけど、時代がそれを許していない感じがヒシヒシと伝わってきます。

こういう大正ロマン的な大昔を舞台に描かれる漫画って、恋愛を美しく描きがちなんですけど、進め!白鼻進はそこが中心じゃないから、フィクションなんだけど主人公含め人間性や生活模様にリアリティがあって、ドラマを視聴している感覚で楽しめるのです。

この漫画の凄さは参考文献の数に現れていて、第1巻では50以上の作品名が記されています。

以上、進め!白鼻進の紹介でした。
紆余曲折あって初心に戻った瞬間、さてどうなるか?
ぜひ、ご自身の目で確かめてくださいね。

『進め!白鼻進』の作者紹介

進め!白鼻進の作者を紹介する画像

進め!白鼻進の作者・増村十七さんは『バクちゃん』『花四段といっしょ』『全員記憶喪失オフィス』などを描いています。

『進め!白鼻進』と相性が良い漫画読者は?

進め!白鼻進と相性が良い漫画読者を紹介する画像

『進め!白鼻進』に関するよくあるQ&Aまとめ

作品概要
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