この記事は2025年6月6日に発売された大人気ビブリオファンタジー漫画『図書館の大魔術師第9巻』のネタバレ注意な感想を書いています。
第8巻では現代では禁止されている使役の環という呪物をつけた巨大な精霊によってアフツァックが混乱に陥る様子が描かれましたけれども、図書館の大魔術師第9巻では福書典祭に見習いカフナが本を出品する恒例行事に挑む展開となっています。
図書館の大魔術師9巻のあらすじ
書を愛する者が一堂に会するお祭り『福書典祭』の時季が近づく。
このお祭りで一冊の本を作り、出品するのが見習い司書の恒例の行事であり集大成。
しかし見習い司書で総代候補のテイは未だ強大なマナをコントロールできず、他のメンバーたちと合流できていない。
今回は彼女も作品制作へ参加をするようイシュトアから言伝を預かったシオだったが…。
累計160万部突破の大人気ハイファンタジー、第9巻!
【ネタバレ注意】図書館の大魔術師9巻を読んだ感想
図書館の大魔術師9巻は何話まで?
図書館の大魔術師9巻は第四十話『室長からひと言』から第四十四話『告白の仮面』まで描かれています。
渉外室の室長『トキド=エルガムス』との問答
マンガ大賞2025で第4位は大健闘!!
でも、個人的には大賞取ってほしかったですけどね。
絵も言葉もこれ以上満足度の高いファンタジー漫画は無いと思っていますし、異世界モノがファンタジーを侵食しているなかで、純粋な王道ファンタジー漫画はもっと評価されていいのに……。
そんな話はさておき、図書館の大魔術師第9巻第40話『室長からひと言』では、セドナから預かった本を言い方を悪くすれば横取りした張本人が、シオの元を訪れ問答するわけです。
弟子を探している魔術師がいた。
魔術学園を訪れた魔術師は子供たちにどれだけの本を読むかと尋ねて、子供たちが次々と読書量を自慢するなか『私も皆と同じ量の本を読みます。ですが私は皆の半分のことしか物事を知りません』と答えた子供を弟子にした、なぜか?
といった感じの質問にシオは臆せず応えます。
一つの事柄に対して著者が異なる二冊以上の本を読むことを重視していたからは、いい答えです。
ただ、そういうイジワル問題を出してくるトキド=エルガムスは、自分と同じ思考以外は不正解と認識していそうなタイプで、個人的には読んでいてめっちゃ苦手なんですよね。
シオの成績や進路にも介入してくるし、この後に実は味方でしたみたいな展開が来ても、好きにはなれなさそう……。
福書典祭に見習いカフナ一同で出品する恒例行事
第四十一話『存在の耐えられない軽さ』からは、福書典祭といういわゆるコミケみたいなイベントに見習いカフナ一同で参加するにあたっての、案出し作業的な話から描かれます。
見習い期間の集大成と言われて気合いが入る者もいれば、成績の加点は一切無いと言われて適当に頑張ろうとする者もいて、もちろんシオは前者。
歴代の作品に面食らって気合いを入れ直したり、周囲の人間の知恵や力を借りたり、福書典祭に出品するための一案に選ばれるためにシオは尽力するんです。
その中でシオはシトラに製本の指揮をとってもらえないかとお願いするのですが、彼女は後者。
お祭りとかノリが合わないと興味が無いフリをしていたところ、修復室のナナコさんに『興味ないような振る舞いを続けてると、本気を手にすることができなくなる、なぜなら過去の自分と整合性が取れないから……」と説教を受けてから、彼女もまた動き始めるんです。
次々とシオの案に乗る仲間が増えていくいっぽうで、明確な壁もあって、それが金銭問題。
誰か一人に背負ってもらうのをヨシとしないシオは、自分の資産を持っているかつホサネク家を建て直した経験のあるカウィチにビジネスの話を持ち掛けます。
ここのやり取りが、まぁビリっとくるんですよ。
『古来より金を操る者は忌み嫌われてきた。
儲けることを蔑み、無償の奉仕を美化する。
一族は常にその声に晒されてきた』
これはもう現代社会でも問題視されていますよね。
ボランティアってどうなの、ちゃんとお金を払うべきだって方向性は正しいですし、労働への正しい対価が払われないなら、対価に見合った労働になるのは致し方ありません。
しかもこういうイベントだと金銭を得るのはふさわしくないってなりがちだけど、ここでちゃんと本を販売しようってなるシオのビジネス思考はめっちゃいいですよね。
思ってたよりも深刻なテイを取り巻く最悪な環境
第四十三話『はてしない物語』からはテイの幼少期や、なぜアフツァックに来たのか、そして次期総代候補に選ばれてしまったがゆえの彼女を取り巻く最悪の環境が描かれています。
簡単に言ってしまえば、敵だらけ。
邪魔者扱いされて、いじめを受けています。
政敵を落とそうと周囲の人間が躍起になっている。
幼い頃から制御できない力のせいで孤立していたテイには、自分がこの場にいるべきではないと、自分自身すら味方とは言えない状況で、シオはただテイを待ち続けました。
ここで待つと宣言して、本当に待ち続けるシオのクソ真面目さと、そんなシオとテイの関係性を危惧して邪魔しようとしたカリンをビビらせる一枚絵はマジで格好良かった。
テイにはマジで幸せになってほしいですね。
【最新刊】図書館の大魔術師10巻の発売日
- Q図書館の大魔術師10巻の発売日はいつですか?
- A
発売間隔から予想すると、2026年4月以降になると思います。