一緒にご飯食べようぜ!ではなく、お酒を飲みに人が集まる夜の街にトラブルはつきもの。
警察24時的なテレビを見ていると、酔っ払い同士の喧嘩や、酔いつぶれて介抱されている姿が頻繁に映っているような気がします。
灯に照らされて煌びやかな夜の街並み。
しかし、その華やかさとは裏腹に仄暗い印象を受けるのは、きっと私だけでは無いでしょう。
さて、今回紹介する極楽街は、繁華街で問題解決屋を営むタオとアルマというコンビが、禍と呼ばれる化物を退治するダークファンタジー漫画です。
現代ファンタジーかと思いきや、獣人がいる世界線だし、半禍など既視感のある設定を昇華させる圧倒的な画力を有している、今後に期待できる漫画でした。
極楽街のあらすじ
【ネタバレ注意】極楽街を読んだ感想
新人漫画家とは思えない構成力に驚かされるダークファンタジー
漫画を読み終わった後に、この作者は他にどんな漫画を描いてるのかな?って探すクセがあります。
アニメ化されていたり、連載期間が長かった作品は、帯などの分かりやすい箇所に記載されているんですけど、早期完結した作品は自分で検索して気づくこともあります。
あー!この作者はあの漫画描いてた人なんだ。
また今度読んでみようかな。
なんて、新しい作品に出会うきっかけになります。
極楽街も例にもれず、探してみたんですけど見つからず。
まさかの、極楽街が初連載作品らしくて驚きました。
マジで絵が上手いし、構成もいい。
現実世界とリンクしたファンタジー漫画かと思いきや、獣人がいる世界観だし、ホラー風の化物が綺麗な絵柄とマッチしてなかなかエグいんですよね。
圧倒的なヴィジュアルの良さと画力が既視感をねじ伏せる
極楽街をどんな人におすすめするかと聞かれれば、絵で漫画を選ぶ人って答えます。
この漫画では異形の化物のことを禍と呼び、問題解決屋コンビのひとりは、半禍という人間と禍のハーフという設定で、言ってしまえば物語の根幹は既視感のあるものになっています。
漫画は巻数を重ねることで、唯一無二の世界観が出来上がっていく。
こういう息苦しさがついてまわるタイプの漫画は、3巻くらいで伸びしろや評価が見えてきます。
もちろんメディア化や漫画賞のランクインを待っても良し!
ですが、絵の上手さや綺麗さを重視している方には強くおすすめしておきます。
もうね、タオさんのビジュアルが神!
チャイナドレス風衣装に丸眼鏡に煙草。
銀魂の月詠とか好きな人にはドストライクでしょう。
クールなヒロインが好きな人にはたまりません。
半禍の少年・アルマの禍の血を使った戦い方や、仲間たちの能力や戦闘スタイルはどうなのか。
タオさんが探している人物は誰なのか。
目新しい感覚は無いんですけど、読者を惹きつける画力はそういうのを軽々と超越するので、1巻の時点でワクワクが止まりませんよ。
街の雰囲気とホラーテイストな化け物と綺麗な絵柄がマッチしてる
個人的には、背景もこだわって描かれているのかも、漫画を読み続けるうえで凄く重要なポイントで、極楽街は紙の向こうに匂いを感じるようなクオリティなんですよ、マジで。
心霊映像も、夜と昼では建物や土地から発せられる威圧感や怖さのレベルが変わってくるし、小物が多い漫画は絵がごちゃごちゃしてるとか言われがちですけど、ロケーションにこだわるのは本当に大切だと思うんですよ。
その点、極楽街は事件の被害者もしっかりと描くもんだから、読んでいてウッとなるし、その奥にいる人物もヤバいやつなんだろうなって想像させる。
この読者に勝手に想像させる描き方や構成力も極楽街の魅力だと思います。
問題解決屋コンビの光と影、犬と猫のような対極的な感じも、二人の関係性や過去が気になって仕方がないんですよ。
ファンタジーやバトル漫画が好きな人におすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
【最新刊】極楽街3巻の発売日
- Q極楽街3巻の発売日はいつですか?
- A
2023年12月4日発売予定です。