極端な話、上の下くらいの面白さで絵柄がイマイチな漫画と、中の下くらいの面白さで絵が抜群に上手な漫画だったら、自分は後者を手元に残しておきたい派。
今回紹介する夜な夜な夜なは、まさに画力で唸らされるタイプの作品で、箱根を舞台に腐敗した警察と義賊である盗賊団が火花を散らす、夜の雰囲気が魅力の漫画です。
単行本の中でも比較的大きめなA5サイズより、さらに一回りでかいB5変形判。
紙で読んだときの迫力が段違い!
こればかりは現物を購入してよかったと思います。
夜な夜な夜なのあらすじ
【ネタバレ注意】夜な夜な夜なを読んだ感想
著者・柴田康平の漫画
珍しく紙で良かったと思える高画力漫画
自分は本屋に行って漫画を購入することもあれば、電子書籍で読むこともあります。
漫画好きなら紙で購入して当然!
なんて古臭い考えはとっくの昔に捨ててるし……。
今の時代電子書籍が便利なのに現物を買うとか邪魔じゃん!みたいな考えも別にありません。
どっちにも良さがあるんだから、くだらない喧嘩しないて、自分が好きなほう選べよって傍観している立場なんですけど、夜な夜な夜なに関しては紙で買ってよかった。
B5変形判というA5以上雑誌以下サイズ。
稀に見る大きさの漫画。
紙が柔らかく読みにくい。
このサイズにぴったりな透明ブックカバーが存在しない等々、難点はあるんですけど……。
画集を読んだときの感動に近い満足感を得られます。
まぁそれ以上に正直、紙で購入する決め手になったのは価格による部分が大きいです。
kindle版が約1190円、紙版が約1320円。
たった130円の差額なら現物で買ったほうが、気持ち的にお得に感じませんか?
これが300円くらいの差額だったら、さすがに電子書籍で読んでました。
夜の雰囲気を魅力的に描く漫画が好きな人にイチオシ
他の漫画なら2冊分近い価格。
誰にでもおすすめできるとは言えません。
なので、自分がプッシュするとしたら、先述したように画力の高い漫画を探している人や、夜の街並みや雰囲気を上手く表現している漫画が好きな人でしょう。
例えば2022年7月からアニメ化されたよふかしのうたや、2023年より映画化&アニメ化予定の君は放課後インソムニアみたいな、夜の空気や匂いを味わえる漫画って素敵ですよね。
あとは背景が描き込まれている、一コマに対する絵の密度が高い漫画が好みな人にもおすすめです。
専門家チームのカッコよさが魅力的に描かれている
善の立場を利用して盗みを働く腐敗した警察から、盗み返す義賊こと夜行怪盗団。
この漫画の何がいいかって、明らかに悪そうなヤツじゃなくて、いかにも正義感強そうなキャラデザのやつらが敵にいることなんですよね。
まるで悪堕ちのような感覚。
あくまで、そういう雰囲気。
でもね、ごく一部のフェチには絶対ささります。
自分はおお!ってなりました。
いっぽうで物語の主役となる夜行怪盗団は、まさにスペシャリストのチームって感じでめちゃくちゃカッコいいんですよね。
医師といっても専門分野が細分化されていて、難解な手術ではそれぞれのスペシャリストが集まってチームを結成するみたいな、そういうカッコよさ。
タイトルにもなっている夜名は怪盗役のリーダー。
夜名を支えるサポート役の炭々は人造人間。
夜行怪盗団のボスこと兵藤は盗みを企画する。
他にもエンジニアで指示系統担当の曲。
夜行怪盗団の新人であり仕立て屋の火鉢。
悪人から刀で皆を守る用心棒の古式など、個性豊かでキャラデザが神懸かっている漫画でした。
醜悪な化物が世を支配している世界観なので、うわぁってなる描写も当然あります。
義賊である夜行怪盗団がどう闇を晴らすのか。
固唾を呑んで見守りたいと思います。
【最新刊】夜な夜な夜な2巻の発売日
- Q夜な夜な夜な2巻の発売日はいつですか?
- A
2023年12月20日発売予定です。