医療が発達した現代でさえ、出産は母子ともに命がけで挑む凄く大変で尊いものです。
にもかかわらず、一度に二人を出産する双子は奇跡の子として扱われず、忌み子という不吉な存在として卑下された歴史に人間の恐ろしさを感じますよね。
さて、今回紹介する黄泉のツガイは、そんな双子や村の秘密が大きく関わり、敵味方で善悪の区別をつけられないまま進んでいくストーリー構成に、期待せずにはいられない異能バトル漫画です。
生まれ育った村を襲撃した敵はまさかの妹?なぜ自分を狙うのか?村は何を隠していたのか?誰を信じればいいのか?
黄泉のツガイのあらすじ
【ネタバレ注意】黄泉のツガイを読んだ感想
荒川弘さんの作品
対になる言葉をキーワードに相棒を従えて戦うローファンタジー
自分はファンタジーとかバトル漫画で描かれる主従関係とか、召喚獣がめっちゃ好き。
例えば、NARUTOの口寄せの術で登場するガマおやぶんとかパックンとか、九尾のクラマ、蟲使いの油目シノや赤丸と一緒に戦う犬塚キバも好きでした。
家庭教師ヒットマンREBORN!では、主人公の沢田綱吉の右腕を名乗る獄寺隼人や山本武の、仲間を超えた家族のような存在、安心感に惚れ惚れしたものです。
しかも、リボーンの未来編で登場した動物型ボックス兵器がクソカッコいいんですよ。
今でもアレ以上にカッコイイ武器って無いんじゃないですかね。
ワンピースのゾロやサンジも仲間を超えた相棒って感じで、一味の仲でも特別な存在といえます。
生死を共にする覚悟がある。
背中を預けられる関係性がカッコいいと感じる自分に、黄泉のツガイはめちゃくちゃささりました。
ツガイバトルということで、双子・昼夜・左右・前門の虎後門の狼のように、二対の言葉がキーワードになっていて、神様や妖怪など、異形の存在を従えて戦いが繰り広げられます。
荒川弘先生がどんな言葉を元にキャラクターを生み出すのか、想像が膨らんでワクワクしますね。
敵味方で善悪を区別できない含みを持たせた話の広げ方が面白い
黄泉のツガイというタイトルや表紙から、自分は天国か地獄かを舞台にした異世界ファンタジーを想像していたんですけど、これがまさかの現代ファンタジーで驚きました。
双子が忌まわしい存在として扱われてきたのはご存じの通り。
本作でも主人公・ユルは狩猟をするなど活発な少年に育てられたいっぽうで、妹のアサは錠付きのまるで牢獄のような部屋でひっそりと生活しています。
私たちの感覚からすればなんてひどい!
となるところですが、村の人間がアサを差別している様子は一切なく、ユルも大事なお勤めがあるから特定の人間にしか会えないという言葉を信じているんですよね。
違和感というものは、外から刺激を得て初めて気づくもの。
村を襲撃した犯人が妹のアサだと名乗ったことで、ユルは村が何かを隠していることを知ります。
なぜ自分が狙われるのか。
今まで妹だと思っていた存在は何者なのか。
村を襲撃した犯人は本当に妹なのか。
自分を匿ってくれている仲間は信じていいのか。
怒涛の展開で物語が始まるこのワクワク感に期待せずにはいられません!
おじさんとか脳筋キャラをめちゃくちゃカッコよく描けるのはさすが荒川弘先生というところですね。
【最新刊】黄泉のツガイ7巻の発売日
- Q黄泉のツガイ7巻の発売日はいつですか?
- A
2024年5月11日発売です。