深夜の住宅街とか、早朝の通学路とか。
冬の朝とか、夏の夕暮れとか。
自分は匂いを感じる漫画がめちゃくちゃ好き。
今回紹介するパッカはまさにそういう作品で、水泳部に所属している男子高校生の主人公が、水中で身動きが取れなくなってしまったところを河童の女の子に命を救われ、その影響で自身も河童になってしまい、人間に戻る方法を模索していくという漫画。
人間と河童で線引きをしているがゆえのヒロインの独特な距離感や、主人公のサッパリした性格が良く、そして謎に包まれた河童の存在が物語を面白くしています。
パッカのあらすじ
プールサイド。
微かに匂う、塩素の香りに、鼻の奥がツンとする。
何気ない青春、何気ない日々は、突如、姿形を一変させる。
「あの日、あの朝、僕のカラダは全く違うモノに変わってしまった」
日常と非日常の狭間で、僕はあなたに恋をする。
ネタバレ注意!パッカを読んだ感想
作者・今井大輔さんの漫画
パッカの作者・今井大輔さんはクロエの流儀や古都こと、ヒルを描いていました。
幼馴染と河童の女の子との三角関係が描かれる青春漫画
部活をしていたときは「練習から全力をだせ!」と、よく怒られていた。
練習と、引退がかかっている最後の大会の本気は比べるまでもないし、精神論で技術の差はどうにもならないと、辟易していたのは言うまでもない。
本作の主人公・末森ケイは、水泳部に所属していて、幼馴染でインターハイ出場選手の花園サキに負けてからというもの、健康のために泳ぐという志向に切り替えているリアリスト。
そんな彼はある日、口から出た「サッちゃんに勝ったら付き合ってよ」という告白ともいえない言葉で再び努力するようになる。
状況が一変したのは、練習中。
突然、ケイは水中で身動きがとれなくなった。
溺れているのとは全く違う感覚。
そんなケイを助けてくれたのが、河野シズク。
死ぬ間際だったケイは運良く助かったのではなく、シズクが知古魂という、魂の共有で助けたという。
ケイの身体には、ある異変が起こっていた。
それは肌の色が変色し、鱗があること。
シズクは自分が河童であることを明かし、ケイも河童になってしまったと話すのだ。
秘密の共有とミステリアスな河童の存在
ケイにとって、サキは間違いなく特別な存在。
だけど、自分は河童になってしまった。
人間に戻るためにはシズクの協力が必要不可欠なんだけど、彼女もまた“河童の里”から脱走したという過去があり、一筋縄ではいかない。
パッカの魅力は、キャラクターが必要以上に自分語りをしないこと。
三角関係もそういう雰囲気を感じるだけで、明確にされているわけではない。
現実の恋愛と同じような雰囲気で物語が進んでいく。
目の前にいるのに、どこか遠くを見つめているような、シズクの浮世離れした感じもまた凄く良い。
ラブコメではなく恋愛漫画を探している人や、コマ割りが大きめで読みやすい漫画を探している人に超オススメなので、興味がある人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
パッカ(最新刊)5巻の発売日
パッカ最終5巻は2021年3月31日に発売です。
パッカを無料で試し読みする方法
パッカは小学館が刊行している漫画誌・週刊スピリッツで連載されていたので、公式サイトより1話無料で試し読みできます。


