店員が常に視界に入るお店とかは、何か買わないといけない!っていう強迫観念に駆られて、ウィンドウショッピングを気軽に楽しめないから苦手なんですよね。
こだわって商品を仕入れているセレクトショップとか、凄く興味あるんですけど、心理的なハードルを越えるのが中々難しいと感じてしまいます。
さて、今回紹介する宝石商のメイドは、まさに一人で足を運ぶには勇気が必要なお店の頂点にである宝石店で働く、ミステリアスで凛々しいメイドさんが描かれるお仕事漫画です。
仕入れで各地を飛び回る店主の代わりに店を切り盛りしているメイドさんが、様々な悩みを抱えたお客さんの心を宝石の知識と話術でほぐす、人間ドラマが魅力の漫画でした。
宝石商のメイドのあらすじ
【ネタバレ注意】宝石商のメイドを読んだ感想
読みやすくて印象に残る一話完結の連作短編漫画
当然ながら、接客業は常連さんよりも新規のお客さんを相手にすることがはるかに多く、その中で2回目も足を運んでくれる方となると、ほんの一握りしかいません。
トップクラスの高級品を扱う宝石店はなおのこと。
わずか数時間の商談での会話が全ての一期一会。
価格も安くはありませんし、一度購入しないって方向に舵を斬れば、そのお客さんの心が戻ってくることは無いでしょう。
常連客といっても、宝石店に何回も通える富裕層はそうそういるものでも無いし、一話完結の連作短編だったのは、現実的で凄く良かったと思います。
相手に寄り添う真摯なセールストークを楽しむ漫画
宝石商のメイドは、貴族や女優など高貴な人物から、老人や学生など一般人まで、様々なお客さんの心を奪った宝石のセールストークを楽しむ漫画です。
宝石には市場価値だけでなく、誰が身に着けたのかという付加価値があるとか。
何を美しく思うかに値段は関係ないとか。
上辺だけのこびへつらったセールストークではなく。
相手に寄り添う真摯な言葉の数々。
メイド服に恥じない凛とした姿が描かれていきます。
1967年に発見されたタンザナイトや、1989年に市場に登場したとされるパライバ・トルマリンなど比較的近年の宝石も登場しているので、世界観は割と新しめみたいですね。
なんなら固定電話も描かれていましたし、なんでも中世ヨーロッパに結び付けてしまう癖は、異世界転生漫画ばかり読んでいる弊害でしょうか……。
良くも悪くもヒロインが群を抜いて魅力的に描かれている
自分も表紙の美しさに惹かれて購読した一人。
個人的な印象としては、ヒロイン>女性キャラ>男性キャラで画力に差を感じました。
得手不得手もあるでしょうし、お客さんがモブっぽいのも仕方が無いにしても、ヒロインがご主人様と呼ぶ男性まで印象が弱いのは少し残念でしたね。
まぁ、ファンタジーやラブコメとは違ってキャラ重視の漫画ではないし、表紙とのギャップを感じる程ではないのでご安心ください。
なにより、ヒロインの宝石のように吸い込まれそうな瞳はめちゃくちゃ美しく、力強さもあって凄く素敵なので、メイドさん好きは一読の価値アリですよ。
【最新刊】宝石商のメイド3巻の発売日
- Q宝石商のメイド3巻はいつ頃発売ですか?
- A
2022年12月23日発売予定です。