悩みの9割は杞憂または自力で解決できますし、残りの1割は考えるだけ無駄だから諦めろ精神で生きているから、他人に相談する思考を持ち合わせていません。
とはいえ、雑談のタネとして誰かに話を聞いて欲しいときってあるんですよね。
さて、今回紹介するスクールバックは、高校の用務員として働く伏見さんが、ちょうどいい距離感を保ちながら生徒の話を聞く人間ドラマが魅力の日常系漫画。
保健室の先生とかではなく用務員さんが主役の斬新な設定もいいし、生徒の悩みを解決しようとするんじゃなくて、ただそばにいるみたいな絶妙な距離感が魅力的な漫画でした。
スクールバックのあらすじ
【ネタバレ注意】スクールバックを読んだ感想
著者・小野寺こころが描いた漫画
教師ではなく用務員さんが主役の斬新な設定
教師が主役の学園漫画って重い雰囲気になりがちだから、どうしようかなぁって悩んでいたら、まさかの用務員さんで驚きました。
ラブコメならまだしも、学校を舞台にした人間ドラマの多くは、いじめ問題をテーマにしたものとか復讐系のイメージが強くて、あんまり読む気にならないんですよね。
でも、用務員さんかぁ……。
正直、保健室の先生ですらまともに会話した記憶ないのに、用務員さんなんて自分の母校にいたのかどうかすら覚えていませんよ。
悩みを抱えている生徒と用務員さんがどう接するのか。
思い切った設定に興味を惹かれて購読しました。
話を聞くだけのスタンスがちょうどいい塩梅
ちょっと調べてみると、用務員さんを差別的な呼び方だと認識して、校務員や学校技術員みたいに別の呼び名がある地域もあるみたいですね。
そんな用務員さんのお仕事は設備の修理修繕や清掃など。
普通は関わることのない学校業務を支える裏方さんと、悩みを抱える生徒がどう交わるのか。
悩みを抱える生徒の相談に乗る構図はよく見るそれ。
でも、大人に関する悩みの種と、解決しようと踏み込むのではなく、話を聞いてあげるスタンスの伏見さんというキャラクターのおかげで、唯一無二の雰囲気がそこにはありました。
子供の頃は、大人に対して畏怖の念を抱いていましたよ。
怒る側と、怒られる側って二分されていたから。
大人は常に正しいものだと錯覚させられていました。
でもあるとき、自分は別の学校の先生の「あ~、俺明日補習あるんだよね」って愚痴を聞いて、大人だってそりゃあ嫌だよなって、考えてみれば当然の視点に気づかされたんですよね。
年齢を重ねれば、誰だって成人する。
けれど、精神年齢が大人に達する人間は、実はそんなにいないのが現実です。
スクールバックの何がいいって、先生でも親でも親戚でもない第三の大人ポジションが描かれていることだと思うんですよ。
他人に相談したところで解決しないのは分かっている。
でも、ひとりで抱えるのは心苦しい。
そんな悩みを伏見さんは受け止めてくれるんです。
彼女が何かをするわけではありません。
ときには真剣に、ときには優しい笑顔で生徒のとなりにいてくれる、ただそれだけ。
そのちょうどいい距離感と気遣いが心を軽くしてくれます。
人間ドラマと聞くとストーリー重視の作品かと思うかもしれませんが、スクールバックは伏見さんのキャラがすごく輝いている漫画でした。
興味があるならぜひ読んでみてください!
【最新刊】スクールバック4巻の発売日
- Qスクールバック4巻の発売日はいつですか?
- A
2024年10月10日発売予定です。
【無料】スクールバックを試し読みする方法
スクールバックは小学館が運営しているサンデーうぇぶりで第2話まで無料で読めますよ!