他人に「いい歳して」とか「もう大人なんだから」とか言われても全く気にしないんだけど、自分自身が趣味に対して、そういう考えにならないかは凄く不安だ。
今回紹介するメタモルフォーゼの縁側は、偶然立ち寄った本屋で手に取ったBLにハマったおばあちゃんが、書店員の女子高生と仲良くなるという世代を超えた趣味と友情を描く漫画。
メタモルフォーゼの縁側のあらすじ
【ネタバレ注意】メタモルフォーゼの縁側を読んだ感想と内容紹介
作者・鶴谷香央理が描いた漫画
BLをきっかけに世代を超えた友情が育まれる漫画
2年前に夫を亡くし、現在は書道教室を営む市野井雪が、BL漫画に出会ったのは本当に偶然だった。
夫との思い出の場所だった喫茶店が閉店していて、夏の暑さに耐えれなくて近くにあった本屋さんに入ったら、本の配置が記憶と違う。
漫画の多さに驚いて手に取った一冊の絵が綺麗で、それがBLだっただけ。
雪がBL漫画を購入する衝撃的な光景を目の当たりにした書店員の佐山うららは、職場では普通に会話ができるものの、学校では仲の良い友達がいない女子高生。
そんなふたりが「ずっと誰かと漫画の話をしたかったの」という願望をきっかけに友達になっていく……。
祖母と孫。
ジェネレーションギャップどころではない世代を超えた二人が、共通の趣味を通して友達になっていくのが、このメタモルフォーゼの縁側の魅力。
おばあちゃんの視点から感じることの多い漫画
本作は市野井雪の視線を通して、時間の流れや体力の違い、マナー違反など色々な事に気づかされる。
階段をあがるだけで息が切れ、かぼちゃを叩き割ることすら難しい。
余命と新刊が出るまでの期間を計算する姿、生活感のある部屋の家具、麦茶をコップに入れる音、窓を開けて風を部屋の中へいれる描写。
まるでおばあちゃんの家に遊びにいったかのようなリアリティと、哀愁が漂っている。
年齢も違ければ、趣味趣向も分からない、BLを読み始めたのはつい最近の雪にどのレベルのマンガをおすすめしたらいいか真剣に悩む姿に共感する漫画好きは多いはず。
これほどまでに雰囲気が良くて、何度も手を止めて、ゆっくりと読むことが出来た漫画はそうそうない。
雪さんが生前整理をしたり、過去を振り返る時間が多いのに対して、うららは受験生で、自分が将来どうしたいのかという未来に向けて悩んでいる。
残された時間が違うから、趣味を楽しむ重みが全然違って、今を大切に生きるということを凄く考えさせられた。
ストーリーを重視して漫画を選ぶ人に超オススメなので、興味がある人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
【最新刊】メタモルフォーゼ5巻の発売日【完結】
- Qメタモルフォーゼ5巻の発売日はいつですか?
- A
2021年1月9日に発売されました。
【無料】メタモルフォーゼの縁側を試し読みする方法
メタモルフォーゼの縁側はKADOKAWAが運営しているWEBマンガサイト・コミックNewtypeで連載されていた漫画なので、2話まで無料で試し読みすることができます。