この記事では司書が主役の王道ファンタジー漫画『図書館の大魔術師7巻』のネタバレ注意な見どころを紹介します。
6巻では努力する方法を間違えたシオを正しく導くイシュトア先生の一喝や、差別思想に染まったメディナを説き伏せるシオの熱い言葉が描かれました。
その続きとなる図書館の大魔術師7巻は、若者を中心にブームとなっているマリガドという小説の内容をめぐって、出版停止をするべきか否かの議論が描かれていきます。
図書館の大魔術師7巻のあらすじ
【ネタバレ注意】図書館の大魔術師7巻を読んだ感想
最新刊が発売されるたびに思うんですよ。
なんで、この漫画が賞を獲得していないのかと。
あんまりこういうの言いたくないけど、ジャンプの連載漫画だったら、絶対マンガ賞獲ってるし、なんならアニメ化の話までいってますよ。
まぁ自分が好きな漫画だから、たまにはこういう贔屓してもいいですよね。
そんな話はさておき、図書館の大魔術師7巻の感想を書いていきましょうか。
マリガドという小説の出版停止を巡る議論が描かれる
本を題材に描いているわけですから、避けては通れない表現の自由に関する話題がきましたね。
街ではマリカドという小説がブームになっていた。
しかし、その残虐な内容にマリカド否定派が出版停止を要請し、中央図書館が審議を開始。
こういう流れって、現実世界でも多く見られますよね。
自分がすぐ思い浮かべたのは映画のJOKER。
世界的な大ヒットを記録した一方で、模倣犯や少年犯罪の増加が懸念されていました。
マリカドの問題点は残虐性のある内容だけではありません。
実在する民族を連想させる表現を用いられていることにあります。
出版継続を認めるなら、この表現を許容したのと同義。
新しい黒の書がつくられることを懸念しているのです。
嘘の情報で構成された優秀な学問書『黒の書』
黒の書とは端的に言えば偽書のこと。
黒の書はホピ族が劣等民族であるという仮説を立証する過程を示した学術的に優秀な書物。
多種多様な学問からの証明・図説・論文の引用・医者の証言・十数年に及ぶ調査実験の数字比較・学会の推薦など、人が情報を信じるためのありとあらゆる情報が揃っているとのこと。
ただ、その裏付けの全てがデタラメであるという問題を除いては……。
シオは書かれているほとんどのことが嘘だと知っていてなお、そうなんだと思ってしまったと、黒の書の怖さと凄さを語ります。
この話題に興味が尽きない司書見習いたちは、勉学を積み知性をつけることで、物事の真意を見極める力を手に入れることこそが、偽書に対抗する方法だと信じています。
でも、嘘を嘘って見抜く力を手に入れるって、言うほど簡単じゃありませんよね。
最近はネットリテラシーなんてよく言われますけど……。
例えば、私自身、自称医者の言うことを額面通りに受け取ってしまった経験があります。
全ての情報を精査しようとすれば、その医者は本物なのか、専門分野の知識を話しているのか、根拠となる論文はあるのか、その論文は……と裏付けを取る必要があります。
真偽を確かめるには莫大な労力と時間がかかるわけです。
シオは自分の知らない世界や知識に対して謙虚でいることだと結論付けます。
本を題材にしているだけあって、この漫画の言語感覚とか読ませる力が本当に凄いと思いました。
アルフの姉弟子でありセドナの旧知の仲であるミリーア登場
図書館の魔術師7巻の中盤には、ココパ族の族長・リリリア=パドリッティアという大物が、テイのいる部屋を訪れる場面が描かれます。
大物の傍に護衛がいるのは当然のこと。
ただ、その護衛が魔術学園で、アルフの姉弟子がいて、そのアルフの姉弟子・ミリーアはセドナの旧知の仲であり、稀代の天才で、戦闘狂な一面が垣間見えるから色々と驚きました。
シオがセドナから受け取った一冊の本を巡って物語が動き出しそうな予感もあって、読んでいてめちゃくちゃ面白かったです。
図書館の大魔術師8巻の発売日
- Q図書館の大魔術師8巻の発売日はいつですか?
- A
2024年6月6日発売です。