異世界系のジャンルは基本的にポジティブで夢と希望にあふれている漫画が多いけれど、主人公に魅力があるタイプの作品は本当に一握りしかない。
今回紹介する異世界失格は、太宰治っぽい主人公が自殺をしようとしたら異世界に転移してしまい、そこでも第二の人生を楽しもう!とはならずに、死ぬことを渇望しているネガティブな雰囲気が斬新で面白い異世界漫画。
タイトルが人間失格にちなんだものになっているとか、愛人と玉川上水で入水自殺を選んでいるとか、知識があればあるほど小ネタの存在に気づけて楽しいと思う。
異世界失格のあらすじ
【ネタバレ注意】異世界失格を読んだ感想
原作・野田宏と作画・若松卓宏さんの漫画
異世界失格の作者・野田宏と若松卓宏は、人魚姫のごめんねごはんという漫画を描いていたコンビで、その他にも恋は世界征服のあとでを連載中です。
心中することが目的という斬新すぎる異世界転移漫画
本作は主人公が愛人と心中しようとした直前に、トラックにはねられてしまい、気づけば異世界へというお決まりパターンから始まる。
詳しい話を聞く前に服毒自殺を試みるという今までにいないタイプの主人公で、しかも一昔前の人物だから、最近の転生モノに見られる「ラノベで見た展開だ」みたいなメタ発言も無いし、和装で黒髪でカゲがある雰囲気がとにかくカッコいい。
スキルも無ければ初期ステータスも最弱で、定期的に死のうとしていた影響からなのか、あるのは毒体質と死のうとしても生き延びてしまうという悪運のみ。
そんな主人公がこの異世界で何をするのかといえば、一緒に入水自殺しようとした愛人のさっちゃんを探して、もう一度心中し直そうというもの。
小ネタを探す面白さと傍若無人なチートスキルとの戦い
本作の魅力はなんといっても主人公であるセンセーの「人が不幸せかどうか勝手に決めるなど、おこがましいにもほどがある」という言葉や口調のカッコよさや「実際、その相手に脅迫文を送るところまではやった」など豊富な小ネタにある。
この世界ではスキルでやりたい放題している転移者が嫌われている存在で、センセーとその仲間たちはイカレタ人間と戦うことになっていく……。
センセーは本当に弱い存在なのか?
能力なしで本当に戦えるのか?
さっちゃんは本当に良いヤツなのか?
異世界転生なんてどれも同じだろって思っている人にこそオススメしたい漫画だった。
【最新刊】異世界失格9巻の発売日
- Q異世界失格9巻の発売日はいつですか?
- A
2023年6月12日発売です。
【無料】異世界失格を試し読みする方法
小学館が運営しているWEBマンガサイト・やわらかスピリッツで連載中なので、無料で第3話まで試し読みできます。