海外旅行にふらっと行ける人って凄いですよね。
英語も話せなければ、仕事などの目的があるわけじゃないのに、思い立ったが吉日といわんばかりに国内旅行と同じ感覚で海外に行ける人って、たまにいるじゃないですか。
基本的に心配性で小心者な自分は、空港とかホテルでのトラブルを乗り越える自信が無いけど、カモられる自信はめっちゃあるので、一生国内で過ごしたい所存です。
さて、今回紹介するバットゥータ先生のグルメアンナイトは、14世紀に実在した学者さんの旅行記を元に描かれているテンションの温度差が激しい歴史漫画。
まるでコメディみたいな軽いノリで物語が始まりつつも、歴史漫画らしいシビアな一面もちゃんと顔を出してくるので、想像を超えてくる面白い漫画でした。
バットゥータ先生のグルメアンナイトのあらすじ
【ネタバレ注意】バットゥータ先生のグルメアンナイトを読んだ感想
著者・亀が描いた漫画
テンポの良い会話とシビアな世界観がマッチしている歴史漫画
いやー、良い意味で想像の斜め上を行きました。
表紙の絵柄をみた時点で流血描写少なめなのは予想できましたけど、ここまでコミカルな歴史漫画は初めて読んだので、けっこう衝撃的でしたよ。
歴史漫画と流血描写はきってもきれない関係にあるのは、ご存じの通り。
いつの時代も人間は戦い続けていますし、100年後の未来に平和が訪れている保証もありません。
人間の愚かさや残酷さを色濃く描くジャンルですから、リアル志向の絵柄が多いわけですよ。
そんななか、亀先生のデフォルメされた可愛らしい絵柄は逆に目を惹きますし、重苦しい雰囲気が苦手な自分にとってはかなり手に取りやすいものでした。
自分は基本的に表紙買いを推奨しています。
経験上、騙されることよりも、絵柄の恩恵3割増しで面白く感じたパターンが多いので。
異世界転生系は特にそう。
絵が綺麗ってだけで、その他大勢から頭一つとびぬけますから、表紙の印象ってマジで重要。
読んでみないとと分からないって?
面白いって評価される漫画は、面白そうって思わせる魅力を放っているものなんですよ。
でもね、言いたいことはわかります。
バットゥータ先生のグルメアンナイトは、こんな面白い漫画だって読まないと気づきませんよ。
この掘り出し物を見つけた感覚は、王様ランキングや白杖ガールを読んだときに似ています。
実在した人物と書籍があるタイプの漫画
漫画やアニメ・小説などは所詮フィクションですから。
それっぽい雰囲気と時代背景・名の知れぬ一般人を主人公にした歴史漫画だってありますよ。
ただ、本作にはちゃんとイブン・バットゥータという実在した人物がモデルになっていて、翻訳されたの旅行記や彼に関する書籍は日本でも読むことができます。
でも、物語の視点は彼ではなく、奴隷の少女なんですよ。
必ずしも史実通りに描いているわけではありません。
漫画としてちゃんと面白くなるように物語が構成されているんです。
バットゥータ先生とリタの関係性は良好。
奴隷に対して意外と優しい世界観なのかも……。
と、期待させておきながら、第三者はしっかり見下してくる厳しい現実が描かれています。
日本人にとって宗教、特にイスラム教の考え方を理解するのは難しいですけど、知らぬ存ぜぬではなくて、頭の片隅に置いてくのも重要。
その点、本作は自分とは違う価値観を摂取できる貴重な漫画になっています。
三大陸周遊という危険な旅路。
色んな世界の歴史と食文化を学べる良い作品です。
歴史漫画が好きなあなたにはもちろん、知的好奇心をくすぐられる漫画を探しているあなたにもおすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください!
【最新刊】バットゥータ先生のグルメアンナイト2巻の発売日
- Qバットゥータ先生のグルメアンナイト2巻の発売日はいつですか?
- A
2024年3月14日発売です。
【無料】バットゥータ先生のグルメアンナイトを試し読みする方法
バットゥータ先生のグルメアンナイトは秋田書店エレガンスイブ編集部が運営しているSouffleで第1話まで無料で読めますよ!