妻がいながら浮気する男も、相手に妻がいると知りながら誘いに乗る女も等しく悪い。
もちろん悪さの比重でいえば、既婚者のほうが上でしょう。
ですが、女性の略奪愛は本気だと美徳化する風潮には違和感を覚えます。
さて、今回紹介するゴゴゴゴーゴーゴーストは、社内不倫で人生どん底に落ちたヒロインと、オネエ系守護霊のタッグが、愚かな人間に天罰を下すブラックコメディ漫画です。
女性向け漫画特有のドロドロな人間関係とか、重い雰囲気を踏襲しながら、爽快感と面白さが凌駕する綺麗な絵柄に魅了される漫画でした。
ゴゴゴゴーゴーゴーストのあらすじ
【ネタバレ注意】ゴゴゴゴーゴーゴーストを読んだ感想
作者・蛭塚都の著書
自業自得だが同情の余地はあるヒロイン
初見でこのタイトルを覚えるのはちょっと難しい。
英語表記を加えると、ゴゴゴ/go!go!/ghost!
区切り方さえわかれば、簡単なんですけどね。
さて、先に述べておく必要があるとすれば、この物語はフィクションであるということ。
漫画のキャラクターにも品行方正を求める方に、この物語は合わないかもしれません。
妻とは別れるからという男性の言葉を信じて社内不倫した果てに。
その男からは切り捨てられ、転職を余儀なくされ、ドン底人生を味わっている明智ウシロ。
相手に妻がいると知らなくて不倫に巻き込まれたならともかく、ガッツリ略奪愛を狙っていたウシロには、さすがに自業自得と言う他ないでしょう。
とはいえ、同情の余地があるのも事実。
男の夫婦関係は継続、不倫相手であるウシロだけが慰謝料を支払う、割りを食うはめに……。
胃薬とお酒が手放せない毎日。
そんなある日、ウシロは酔った際に頭をぶつけて仮死状態になってしまいます。
そのとき、眼前に現れたのが守護霊の正子。
「私があいつを祟るから、アンタ生きてみなさいよ」
彼の言葉をきっかけに、愛が裏返り憎しみに…。
感情の整理がついたウシロは、本当に良い表情をみせてくれます。
女性向け漫画特有の重さがコミカルに描かれている
女性向け漫画は、仕事や恋愛で疲れている女性を主人公にすることが多く、ターゲット層じゃない自分は読んでいても面白くありません。
そういう意味では、ヲタクに恋は難しいとか、女の園の星は、女性向け漫画に分類されながらユーモアを兼ね備えている稀有な存在。
そもそも波瀾万丈な物語が苦手な自分には、人間関係がギスギスする展開は合わないんですよね。
本作はその雰囲気を凝縮したような話でありながら、爽快感や面白さが勝ります。
表紙を見て気になった方も多いでしょう。
中身もちゃんと、絵が綺麗なんです。
正子のオネエ&幽霊という特徴を最大限に活かす、コミカルな表情とシリアスな表情の使い分け。
「その恨みはらせでおくべきか…」
と正子が愚か者を祟る場面は、ひんやりとした空気に変わります。
正子はウシロにとって本当にイイ存在なのか。
ウシロは裏切り者に復讐を果たし、第二の人生へ無事移行することができるのか……。
【最新刊】ゴゴゴゴーゴーゴースト3巻の発売日
- Qゴゴゴゴーゴーゴースト3巻はいつ頃発売ですか?
- A
2022年10月7日発売予定です。