この記事では2023年秋にTVアニメが放送予定の大人気後日譚ファンタジー漫画『葬送のフリーレン10巻』のネタバレ注意な見どころを紹介します。
9巻では悪という概念を理解しようとする七崩剣・黄金郷のマハトが登場しました。
その続きとなる葬送のフリーレン10巻では、マハトが城塞都市ヴァイゼを黄金に変えた経緯や、人類について研究している変わり者の魔族・ソリテールとの邂逅が描かれます。
葬送のフリーレン10巻のあらすじ
今は亡き勇者たちに捧ぐ後日譚ファンタジー。
魂の眠る地・オレオールへと旅する、勇者一行にいた魔法使い・フリーレン。
七崩賢・マハトの“人を知る”過去の中に、人類と魔族の特異な関係性が存在した。
物語は、色彩を失った黄金へと融けてゆく。
英雄たちの“悪意”を反射する後日譚ファンタジー！
【ネタバレ注意】葬送のフリーレン10巻を読んだ感想
葬送のフリーレンが評価されている理由は、勇者の死後も生き続ける、エルフの不老長寿に焦点を当てた、後日譚ファンタジーの珍しさからくるものだと思います。
でも、そういう設定の魅力って最初の数巻だけ。
なんなら、未読の人を惹きこむキャッチコピーみたいなものなんですよ。
読者を飽きさせない、興味を持たせ続けるには、設定に深みを与える必要があります。
葬送のフリーレン10巻は、さらに面白くなったと思わせる一冊でした。
魔族に悪意が無いという設定が秀逸すぎる
魔族には悪意や罪悪感が無い。
確かにそれは早い段階で明言されていました。
でも、魔族が人間と近い容姿だから、いまいちピンと来てなかったんですよね。
七崩剣・黄金郷のマハトは、人間の感情を理解しようとしている魔族のひとり。
こいつの登場で魔族の見方が大きく変わりました。
恐ろしさが増したという表現が正しいでしょうか。
そのうち人間と親しい魔族が物語に登場するんでしょ？
今後の展開に、そう予想していた読者は多いと思います。
この巻の読後には、そんな考え吹っ飛びますよ。
0を掛けると0で、無いものは無い。
人間の姿や人間のような振る舞いは、捕食するために進化した生存競争の賜物。
自分の身体を疑似餌にする生き物は現実にもいます。
魔族はそういう生き物に近いんだと理解しました。
マハトは人間を観察して悪意や罪悪感を見出そうとしています。
その過程に積み重なる死体の山。
魔族が人間を理解するのは、人間が宇宙の起源を知ろうとしている並みに難しいのではないでしょうか……。
幼馴染同士で殺し合いをさせてヒントを得る。
もっと身近な人を殺せば答えに近づくかもしれない。
そうだ、人間の知り合いをつくろうって流れがとんでもなく怖いですよね。
人間を研究している魔族・ソリテールの恐ろしい強さ
葬送のフリーレン10巻にはもう一人の魔族が登場します。
ソリテールは人間を研究している風変わりな魔族。
このソリテールがマハト以上に恐ろしい。
温厚な人がブチギレると一番怖い理論と同じですよ。
マハトもソリテールも、こいつは他の魔族とは違うんじゃないかと、油断させるからタチが悪い。
マハトを閉じ込めていた結界をぶち破るのは、人間を研究しているソリテールだからできたこと。
いくつもの複雑な魔法を掛け合わせた人類の叡智の結晶。
それを壊したソリテールはフェルンとシュタルクと遭遇してしまいます。
黄金に変える魔法に対して気になったこと
マハトの魔法は人を黄金に変えることは出来ても、その逆は無理らしい。
人を黄金に変化させるのと、黄金から人を創造するのは同じではない。
ただし、自分の身体は自由に変化させることが出来るらしく、やはり人間とは違う人体構造なのかもしれませんね。
10巻の最後でフリーレンが黄金から通常状態に戻る描写があって、個人的にこれを見たときにふと気になったのが、黄金になっている間の時間経過と意識の有無。
フリーレンが街を元に戻したときに黄金になっていた人たちは、どうなるんでしょうね？
意識が無いならフリーレンはどうやって魔法を解除したんだってなるし……。
街の人たちが生きていて、意識が無いとしたら、最強のコールドスリープ魔法の誕生じゃないですか？
まぁ、生きていて意識がある場合は地獄ですけど、死なないよりはマシか……。
黄金郷のマハト編は間違いなく葬送のフリーレンで一番面白いエピソード。
ここまで、アニメ化してほしいけど。
果たして、どうなるのでしょうか。
葬送のフリーレン11巻の発売日
- Q葬送のフリーレン11巻の発売日はいつですか？
- A
2023年9月15日発売です。
