平和ボケしているなんて揶揄されますけど、危険を自動認識しない生活を過ごせているうちは、人生が上手くいっている証拠だと思います。
健康的な生活習慣であるうちは病気を意識することも少ないですし、懐が潤っているうちは、犯罪に手を染める可能性も少ないはずです。
もちろん、お金を持っているからこそ、危険が迫るパターンもありますけど……。
ようは心の余裕が無意識に危険な道を遠ざけているんだと思います。
さて、今回紹介する平和の国の島崎へは、幼少期に国際テロ組織に拉致され、戦闘工作員として育てられた主人公が数十年後に帰国、普通の生活を満喫する中で命を狙われるアクション漫画です。
コメディ要素を薄めてスリル満点にしたザ・ファブルって感じで、街中にいる一般人が突然牙をむくアクションシーンや敵組織の残忍さに、終始緊張感がエグイ漫画でした。
平和の国の島崎へのあらすじ
【ネタバレ注意】平和の国の島崎へを読んだ感想
原画担当・瀬下猛さんの漫画
身近で異質に感じる元戦闘工作員という設定
元殺し屋とか、元暗殺者とか。
ヤクザの息子みたいな設定の漫画ってめちゃくちゃ多いし、これからも乱立し続けるのは間違いありません。
分かりやすくキャラクターの影を演出しやすいですし、物語の幅を広げやすいですし、使い勝手がいい設定のひとつなんでしょう。
あーはいはい、こういう漫画ね。
って読者が話の展開を察せるようになったところで、話題をかっさらったのがザ・ファブル。
珍しく実写映画化が成功している漫画のひとつで、ご存じの方も多いでしょう。
高いレベルのアクションとコメディが同居している作品で、凄く衝撃的だったのを覚えています。
それに近いような漫画は無いかと探しても、そうそう出てくるものではありません。
と、諦めかけていたそこのあなた。
平和の国の島崎へはあなたの好みにピッタリで、似たような満足感を得られる漫画なんです。
個人的な感覚でいえば、ザ・ファブルからコメディ要素を薄くして、緊張感を極限に高めたのが、平和の国の島崎への第一印象に近いですかね。
これ、予測関連ワードにファブルって出るんだろうなって思っていたら、もうあって笑いました。
Twitterで検索すると、ザ・ファブル+○○って、二つ目の作品には、それぞれ違うものを挙げている人が散見して、面白かったですよ。
日常と非日常の境目がシビアで緊張感が凄い
平和の国の島崎への何が凄いって、国際テロ組織に拉致されて戦闘工作員に育てられたという、かなりシリアスな設定であることに尽きます。
日本人的にはヤクザの方が想像しやすくて、怖いはずなんですけど、最近はコメディとの結びつきが強いか、超リアルで怖すぎるかの両極端。
不思議と戦闘工作員設定の方がリアルに感じます。
実際にこういう国や地域があるのは知っていますし、ありえない話ではないのが怖いですよね。
幼少期に国際テロ組織に拉致されて、戦闘工作員として育てられた主人公・島崎。
数十年の時を経て、故郷である日本に帰国。
ごく普通の生活をおくる中、公安警察?からは要注意人物としてマークされ、脱出した組織からは命を狙われるという……。
とある国では、警察も麻薬組織に汚染されていて、どこに敵が潜んでいるか分からないなんて話も聞きます。
平和の国の島崎へではそういう緊張感があるんですよ。
外国人が襲いかかってくるんじゃなくて、どこにでもいそうな会社員が街中で突如牙をむく怖さ。
人を殴って倒すよりも、ヤる方が簡単なんだと。
覚悟があれば誰でもできるという事実を突きつけられているようで、身震いしました。
戦場復帰が示唆するカウントダウンが怖い
物語の序盤から島崎の戦場復帰を示唆。
平穏な暮らしを望んでいるはずなのに、戦場復帰濃厚って、どんな展開が待っているのかめっちゃ怖いんですけど……。
こういう組織って周囲の人間を狙うのを厭わないから、そういう展開だったらキツいですよね。
グロ耐性が無い人は当然として、重めな漫画が苦手な人も現時点では避けた方が無難でしょう。
心の傷は一生残り、その後の生活に支障をきたす。
そういうズシンとくる描写がさらりと描かれているのも、この漫画の凄いところだと思います。
鋭い眼光が見据える先に平和はあるのか。
シリアスな漫画が好きな人に超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください。
【最新刊】平和の国の島崎へ5巻の発売日
- Q平和の国の島崎へ5巻の発売日はいつですか?
- A
2024年3月22日発売予定です。