最近はクラファンで資金調達して製品化する流れが加速していますけども、自分は企画にかけるアツい思いやこだわりを身近に感じられて、サイトを眺めているだけでもけっこう楽しいんですよね。
さて、今回紹介する狂斎はそんなクラファンで単行本化された作品のひとつで、浮世絵師で日本画家の河鍋暁斎をモデルに描かれている、鬼気迫る雰囲気や画力に圧倒される漫画。
すぐに人気が出ないと打ち切られたり、実績のない新人作家に宣伝費がまわってこないことから始まったこのプロジェクトの趣旨に応援したい気持ち以上に、ちさかあや先生の画力に感服しました。
狂斎のあらすじ
【ネタバレ注意】狂斎を読んだ感想と内容紹介
作者・ちさかあやが描いた漫画
高い画力と世界観にとにかく惹き込まれる漫画
今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介は狂斎!
この記事を書き直している2024年10月現在は電子書籍化されておらず、クラファンを経て単行本化した漫画なので重版される可能性も無く、中古で入手できたらラッキーな漫画になってしまいました。
この感想記事を書き直しているときには、興味が湧いても読めない漫画を宣伝してどうするんだって気持ちと、古本屋で出会ったら手に取ってほしいって気持ちの両方がせめぎ合って、後者が勝ちました。
というのも自分が漫画ブログを始めてからいくつもの作品を読みましたけど、この狂斎は10本の指に入るであろう絵だけで推せる漫画で、発売から5年以上経過しても変わりませんでした。
まるで画集を読んでいる感覚。
墨汁と筆で描いたかのような表現。
線の強弱や濃淡に魅了されました。
一度読んだらその凄さは忘れませんよ。
史実通りの河鍋暁斎を描いているわけではないことに注意が必要
ただ、歴史上の人物をモデルに描いていることで、史実通りの漫画を期待する方もいらっしゃるかもしれませんので、そういうガチガチの歴史漫画ではないことには注意が必要です。
狂斎のモデルとなっております河鍋暁斎は、幕末から明治にかけて活躍した絵師です。数多の絵師のなかでも資料が多く人物像がイメージしやすい絵師です。なので河鍋暁斎を知っている方ほどこのマンガの狂斎と実在の暁斎のイメージが乖離し、首をかしげるかもしれません。実在の暁斎と狂斎のギャップを楽しんでいただけたら幸いです。
狂斎1巻のあとがきより引用
と、作者のちさかあや先生も1巻のあとがきで述べているように、あくまでモデルに描いているだけ。
ただ、織田信長が女の子に性転換したり、偉人たちが異世界転生したりする無茶苦茶な展開があるわけではないので、そこは安心していいですよ。
天才絵師が見えている世界を表現する尖っている漫画
常に酒に溺れている狂斎。
「酔うと見えんだ…たまに」
「見えて描けりゃあ毒でもいい」
と絵に酔っている男。
それを間近で見ている人間の嫉妬や惚れこむ様子。
みなぎる自信や時代背景など、どのページを見ても凄いとしか言えません。
ただ、ストーリーはあってないようなものなので、読んでいて面白いかって言われたら微妙なんですよね。
でも自分は、根本として漫画は絵を見るものだと思っているので、原点回帰といいますか、その尖っている感じもけっこう好きで、印象に強く残っています。
先述したように古本屋や中古で入手するしかない漫画なので、興味ある方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
狂斎はどこで読めますか?
狂斎は作者のちさかあや先生のnoteから読むことが出来たのですが、ページが削除されているようで、電子書籍の発売も行っていないので、中古で現物を入手するしかなさそうです。