【別式】笑い以上に感情が揺さぶられるお江戸ガールズコメディ漫画

銀魂という笑いとシリアスが見事に融合している化物みたいな漫画もありますけど、歴史を題材に描かれている漫画って、基本的にお堅いイメージがありました。

さて、今回紹介する別式は、巻を重ねるごとにコメディという枠におさまりきらない復讐心や恋愛感情の暴発などが、どんどん濃密で複雑に絡み合っていく漫画。

コメディであり、歴史モノであり、復讐譚であり、恋愛モノでもある……ひとつのジャンルに収まりきらない想像を超える物語が全5巻という短さの中で表現されている凄い漫画でした！

別式1巻のあらすじ

【ネタバレ注意】別式を読んだ感想と内容紹介

作者・TAGROが描いた漫画

魅力①.コメディという皮をかぶったエグい復讐譚

今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介は別式！

別式1巻の帯には『別格にして格別、そして別嬪べっぴん！この切れ味は、切ない』と化物語シリーズの西尾維新さんの推薦コメントや『強く可愛く面白くそして悲しく儚い』という説明が書かれていました。

まさしくその通りで、別式は喜怒哀楽すべての要素がつまっている漫画なんですよ。

自分はあらすじにも書いてあるお江戸ガールズコメディという言葉と、表紙に描かれている可愛らしいヒロインたちに誘惑されて、感情をぐさっとえぐられる罠に引っかかりました。

別式の物語の始まり方がもうエグいんですよ。

主人公・佐々木類と、ある男への復讐よりもっと複雑な感情を抱いている切鵺りやの対立から描かれているんですけど、それは最終対決のプロローグみたいなもの。

終着点を予期させる描写から物語が始まるんですけど、これがまぁ重いし、ほのぼのとした日常回があってもこの構図があるから緊張感がエグイんですよね。

魅力②.メタ発言と性への好奇心でバランスがとれている

とはいえ、ずーっとヒリついた空気感なのかっていうと、そういうわけじゃなくて、笑える程度の下ネタやコミカルな雰囲気でバランスがとれてるのもマンガが上手いと思わされるんですよ。

佐々木類というヒロインは剣の天才でありながら「わたしはブサイクとはやらない主義なんだよ」とクールぶっているのですが、実はそういったことに興味津々。

結婚や恋愛を意識しまくってはいるけれど相手に求める条件が“イケメンで自分より強い”だから、終始悶々としている類の可愛らしさがコメディ要素になっています。

また、バイトや同人誌という言葉が登場したり、現代になじみがある口調でキャラクターが喋っているのも、読みやすさの一因になっています。

江戸時代の背景を描きながらも、とても親しみやすい漫画だし、TAGRO先生の絵柄がポップで可愛いものだから、ラブコメとか好きな人はすぐに虜になると思いますよ。

でも、戦闘描写は両腕を切り落としたりと意外とグロいんで、その辺は注意してください。

魅力③.別式の出会いと別れの物語

そもそも別式とは女性剣術家のことを指す言葉。

江戸時代という時代背景を考えれば、戦闘描写が描かれるのは当然ともいえるのですが…。

物語は切鵺が追いかけている“キツネ目の男”を巡って重くなっていきます。

自分の両親を手にかけた男への復讐と揺れる感情。
キャラクターが抱えている闇。
時代背景からくる事情など、読後にはとても悲しくなるような物語がここにはありました。

復讐譚やネガティブな要素を含む物語が好きなあなたにはもちろん、5巻以内で読める完結漫画を探しているあなたに超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください！

【最新刊】別式5巻の発売日【完結】

【無料】別式を試し読みする方法

別式は講談社が運営しているコミックDAYSで第12話まで無料で読めますよ！

最後にこれを読んだことがあるなら相性がいいよ！って漫画を紹介したいと思います。