【犬火の兄弟】復讐に囚われた種族違いの兄を止めたい弟が描かれる短編漫画

復讐は虚しさが残るだけで何も生み出さない的な論調がありますけど、それで得するのは加害者側の人間だけなので、自分はスッキリするならどんどんやったれ派なんですよね。

さて、今回紹介する犬火の兄弟は、種族が違うことを理由に虐げられてきた兄が次期山神に選ばれたことをきっかけに復讐に囚われ、それを止めたい弟との軋轢が描かれる短編漫画。

普通だったら山犬に育てられた人間で復讐に囚われている兄が主人公になるところを、それをどうにか止めたい弟視点で物語が描かれていくのが、より考えさせられる内容に昇華させています！

犬火の兄弟のあらすじ

【ネタバレ注意】犬火の兄弟を読んだ感想と内容紹介

魅力①.弟視点で復讐譚が描かれるストーリー展開

今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介は犬火の兄弟！

面白いかどうかって聞かれたら「え？面白くは無いよ、復讐譚だもん」ってなるんですけど、ネガティブ色が強い漫画って、他人におすすめしにくいのなんの……。

あなたも『面白い 漫画』って検索したことあると思うんだけど、面白いって最上級にポジティブな誉め言葉だから、マンガ賞を獲得していたり、アニメ化していたり、知名度がカンストしているTier１漫画しか出てこないんですよね。

自分が面白いって言葉を雑に使わないのも、その言葉を判断基準にしちゃうと、ネガティブ色の強い人間ドラマ系の漫画の魅力を紹介できなくなっちゃうからなんですけど……。

個人的には『読み応えのある』が『面白い』と同等の評価として周知されると嬉しいんですけどね。

って前置きをしたところで、めっちゃ読み応えのある犬火の兄弟の紹介をしていきましょうか！

犬火の兄弟をキーワードに分解すると『人間ドラマ/兄弟/復讐譚/短編漫画』なので、これらの漫画を探しているあなたにおすすめですし、違うなら新規開拓してみてください。

さて、犬火の兄弟のストーリーをざっくりと紹介しますよ。

山犬に育てられた少年・ノジは、人間であることを理由にみんなから嫌われているんだけど、次期山神に選ばれたのはノジでした。

異種族に育てられた人間が疎まれながらも、特別な立場にたって仕事をしていくなかで、じょじょにみんなから認められていくストーリーになるかと思いきや、ノジの弟であり味方であり主人公のイノと一緒に追い出されてしまうんですよ。

ノジは自分たちが暮らしていた光獄山を燃やそうと決意し、復讐の道を歩み進めてしまいます。

という流れで物語が描かれるわけなんですけども、この漫画の上手いところってどこからどう考えてもノジが主人公じゃんってくらい主人公属性モリモリなのに、弟のイノ視点で描かれているんです。

漫画を読んでるときって普通は主人公に感情移入するので、復讐譚であっても嫌なことをされた内容を理由に、復讐を許容できてしまうんですけど、第三者視点で描かれると違うキツさがあります。

自分のこととして復讐を考えさせられるのではなく、止めないといけない責務が心理的負担としてのしかかってくるんで、自分の近くの人間がこうなったらをとても考えさせられました。

魅力②.憎悪に満ちた瞳が印象的

ノジがされたことは山を燃やすほどか？
と、復讐する理由は少し弱いかなとは思うんですけど、こういうのはちりつもですからね。
他人が心理的なダメージの強弱をはかるものではありません。

個人的に印象的だったのはノジの憎悪に満ちた瞳です。
光を吸収しつくしたかのようなまっくろの瞳は、読んでいてゾクゾクしました。

純真無垢で一方通行のイノの兄弟愛は心苦しいものがありますし、それでもどうにかしてノジを救おう、止めようと奮闘するイノを応援しながら読みましたよ。

自分はあんまりネガティブな漫画が得意じゃないんですけど、1冊で読み終わる短編漫画だったので、復讐譚にしては低カロリーで気軽に読めてよかった。

ネガティブ方向で読み応えのある漫画が好きなあなたにはもちろん、短編漫画を探しているあなたに超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください！

【無料】犬火の兄弟を試し読みする方法

犬火の兄弟はKADOKAWAが運営しているハルタ公式サイトで第1話まで無料で読めますよ！

最後にこれを読んだことがあるなら相性がいいよ！って漫画を紹介したいと思います。