自分が潔癖症かと言われると別に違うんですけど。
心理的にも衛生的にも、誰の視線も無い、一人暮らしという自分だけの城だからといって、パンイチで過ごすって結構ハードル高くないですか?
今回紹介するモモ艦長の秘密基地は、SF史上最も怠惰なヒロイン誕生というキャッチコピー通り、8割以上の時間を服を着ずに過ごす女性の目のやり場に困り、ドキドキさせられるSF日常漫画。
モモ艦長の秘密基地のあらすじ
ネタバレ注意!モモ艦長の秘密基地を読んだ感想
作者・鶴田謙二さんの漫画
肌色率高めで貸し出し注意な日常系SF漫画
本作の単行本はA5サイズなので少し大きめ。
ですから、最初は電子書籍で購読しようかと思っていたんですけど、珍しく紙と電子で価格に差がなかったので、じゃあ現物の方でいいかと、単行本をゲットしました。
内容は日常漫画なんですけど、世界観はSF漫画。
鮮やかな青色で宇宙空間を描いた表紙がめちゃくちゃ綺麗ですよね。
しかも、帯には『SF史上最も怠惰なヒロイン誕生』という、機械やら規律やら戦闘やらでカチコチなSFの世界観とは結びつかないキャッチコピーに惹かれました。
どんな物語が描かれるのか。
ワクワクしながらページをめくると……。
目に飛び込んできたのは肌色の女性。
もうね、ビックリしましたよ。
確かにこれは、誇張表現ではなく最も怠惰なヒロインですわ。
しかも、数ページどころじゃなくて、8割以上肌色のままなので、終始目のやり場に困りました。
積読しがちで、家族や友達に気軽に貸したりする人は、マジで気をつけたほうがいいですよ。
人間味を感じる怠惰な描写とヒロインの仏頂面が凄くいい
内容を端的に説明すれば、独りきりの宇宙空間で、仕事やら趣味やら遊びに没頭する女性を描く漫画。
特筆すべきストーリーは無いに等しいんですけど、自分はこういう作品が凄く好きです。
宇宙船のオール電化に成功したことによって航路は長くなり、新たに積載貨物の大半を占める食料の圧迫問題が浮かび上がったという……。
それを解決したのが、電子レプリケートレンジ。
電気エネルギーを料理に変換する。
データさえあれば食材が必要ない魔法のような技術。
本作のヒロイン・モモ艦長は、データさえあれば食料品以外も作れるのでは?と気づいてからというもの、宇宙貨物船が城となり、航宙日数ギリギリの電力を節約しながら怠惰な日常を過ごしています。
といっても、モモ艦長は単独での長距離航宙のスペシャリスト。
10年以上の貨物輸送経験がある、仕事人の顔も持ち合わせています。
怠惰=無気力とはまた違い、自分ルールで生きている感じが表現されていて、凄くいいんですよね。
雑多に積み上げられた本から、目的の一冊を孫の手で手繰り寄せようとしたり、カメラに映らない下の方は服を着ないでテレビ通話をしたり、電力の節約に努力を費やす代わりに怠惰を満喫しています。
後から苦労すると分かっていても。
横着したくなる気持ち、よく分かります。
航宙日数分の電力を事前に搭載する設計上。
食料も電力も補給が必要ないので、他者と直接交流することはほとんどありません。
漫画を雰囲気や絵柄重視の自分は超好みだったんですけど、会話や設定重視の人にはハマらないかなってのが正直な感想です。
独りの時間が描かれているので、もちろん笑顔より真顔。
表紙のような仏頂面がデフォルトなんですけど、それがまた凄く可愛らしくて良かったです。
穏やかな日常系漫画が好きな人におすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください。