SFとか近未来を描く漫画ってどうして悲観的な設定が多いんでしょうかね。
技術がちょっとだけ進歩しているけど、田舎でのんびり生活していますみたいな漫画も読みたいんですけど……。
そんな個人的な願望はさておき、今回紹介するフールナイトは、分厚い雲に覆われて夜の世界が続く世界で、人として死ぬか、植物として生きるかの選択を迫られる人間たちの絶望や苦悩を描く漫画。
フールナイトのあらすじ
【ネタバレ注意】フールナイトを読んだ感想
作者・安田佳澄さんの漫画
太陽光が地上に届かなくなった酷な未来を描く漫画
空がどんよりとした雲に覆われていると、それだけで気分が重くなるので、梅雨の時期に良い印象はありません。
太陽光を浴びなさいとよく聞きますけど、照射時間は鬱や自殺率との関係性もあるらしく、太陽という存在がどれだけ人間にとって重要な存在かわかりますよね。
もしも、その太陽光が地上に届かない世界になったら。
フールナイトは遥か未来の酷な時代を描く漫画です。
転花という人生の岐路に立たされる
太陽光が無くなった影響で植物が枯れ、酸素が少なくなりましたが、人類は転花という技術を開発することによって、危機を乗り越えました。
転花…それは安楽死に、人類を助ける仕事を与えるような技術。
転花したモノを総じて霊花と呼び、それらが発する微弱な光が酸素を生み出しています。
完全な霊花になるまでの2年間。
国からは1000万円の支援金が与えられます。
人として死ぬか、植物として生きながらえるか。
人として生きるか、植物として死ぬか。
主人公・神谷十四郎は、母親の薬代や借金に人生を狂わされ、生きる意味を失った男です。
転花届を提出するときに、担当になった職員が、まさかの幼馴染の女性で…。
かたや公務員。
かたや日銭も無いほど困窮している格差が描かれていて、読んでいてしんどくなるほどキツイです。
そんな彼の人生は、転花した影響で、霊花の“声”を聞くことができる特異体質になったことで、奇しくも動き始めました。
植物になるということは、心が疲弊する事情を抱えていた証でもあるので、その声を聞くのは相当な負担がかかります。
フールナイトは他人がなぜ植物になったのか、他者のトラウマに一歩踏み込む漫画です。
生々しい魂の叫び。
それを表現する画力も雰囲気もある漫画です。
想像するだけでもしんどいですよね。
自分はこういう重い作品は苦手なんですけど、最後まで一気に読んでしまいました。
読んでいて楽しいとか面白いって思う漫画では無いですけれど、小説やドラマのように考えさせられる作品が好きな人にはおすすめです。
興味がある人はぜひ読んでみてください。
【最新刊】フールナイト8巻の発売日
- Qフールナイト8巻の発売日はいつですか?
- A
2024年3月29日発売です。
フールナイトを無料で試し読みする方法
フールナイトは小学館が刊行している漫画誌・ビッグコミックスペリオールで連載中なので、公式サイトから無料で1話試し読み出来ます。