漫画ブログを書いている自分からすれば、一撃必殺のくせに汎用性が高すぎる面白いという言葉は嫌いです。
ポジティブなコメディタッチの漫画とか読み応えがある漫画には使えるんですけど、読んでいて陰鬱な気持ちになるネガティブなストーリーに面白いって言うのはなんか違うんですよね。
みんなが購読の後押しをしてほしいから、面白いという評価を欲しがっているのは理解できるんですけど、新築だけど手抜き工事されている欠陥住宅みたいな言葉を使いたくないジレンマを抱えています。
さて、今回紹介する推し殺すは、激しい誹謗中傷に晒されて描けなくなった若きマンガ家が、自分を殺すと宣言する承認欲求モンスターのプロ志望の担当編集をすることになるマンガ家漫画。
創作活動を行う者の光と影をコミカルに描きながらも、要所要所にシリアスパートをぶっさしてくるストーリー構成が巧みで、読み応えのある人間ドラマが魅力の漫画でした。
推し殺すのあらすじ
【ネタバレ注意】推し殺すを読んだ感想と内容紹介
作者・タカノンノが描いた漫画
創作活動の光と影を色濃く描くマンガ家漫画
今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介は推し殺す!
推しを殺すというヤンデレの極みたいな物騒なタイトルですけど、そういう感じのラブコメではありませんよ。
創作活動をする喜びと苦悩が描かれる人間ドラマなんです。
自分はタカノンノ先生のショートショートショートさんを読んでいるので、ギャグセンスが高いのは知っていたんですけども、こういうシリアスになりがちな漫画でもそのセンスを遺憾なく発揮されています。
主人公がスランプに陥っている元マンガ家で、ヒロインがプロ志望の創作初心者。
創作活動の苦しさを知っている主人公と、創作活動に楽しさを感じているヒロイン。
正反対の二人が見事にバランスを取り合っています。
推し殺すの何が凄いってポジティブもネガティブもどっちも濃厚。
こういう創作活動系の漫画って、基本的にネガティブな方向に偏りがちで読んでいて重たく感じるんですけど、推し殺すはヒロインがおもしれー女だから完璧に中和されています。
人間だれしも承認欲求はあると思うんだけど、それが表に溢れ出している承認欲求モンスターはさすがに強い!
トラウマを抱えている主人公が押されるレベルに眩い光。
描いた漫画を他人に読んでくださいって言えるのはメンタル強すぎて、さすがに尊敬するよね。
何事もそうだけど、成長過程の上を見続けられる時期が一番楽しい。
でも、自分の限界値を知ってしまうと、そこからはキツいんですよ。
現実はゲームみたいに上手くいく保証はありませんからね。
高校生でマンガ家としてデビューした主人公が手に入れたのは成功では無く、誹謗中傷とトラウマという苦い経験。
そんな前に進めずにいた主人公が出会ったヒロインは、前だけを見ている猪突猛進ガールでした。
漫研でのサークル活動が描かれる
なんやかんやで主人公がヒロインの担当編集を務める流れに。
ラブコメのように主人公とヒロインの1対1を軸に物語が進むと思いきや、漫研という同好の士がいる場所で、仲間やライバルがいる環境で一人のマンガ家育成物語が描かれていきます。
まずはどうやって多くの人に読んでもらうのか。
自分を知ってもらうのか。
面白いからバズるのか、バズってるから面白いのか。
個人的には後者の側面が大きいと思うんですよ。
みんながそうならそうなんだろうみたいな日本人的なアレね。
技術うんぬんよりも先にSNS運用講座が描かれるあたり、超現実的でビビりました。
もちろん、全てが順風満帆に行くとは思えないし、そのときに二人がどう壁を乗り越えるのか。
大学生の青春感もあって、シリアスパートだけじゃない、読んでいて楽しい漫画でした。
マンガ家漫画を探しているあなたにはもちろん、ラブコメが好きなあなたにもおすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください!
【最新刊】推し殺す2巻の発売日
- Q推し殺す2巻の発売日はいつですか?
- A
2024年10月8日発売です。
【無料】推し殺すを試し読みする方法
推し殺すは新潮社が運営しているくらげバンチで第1話まで無料で読めますよ!
最後にこれを読んだことがあるなら相性がいいよ!って漫画をいくつか紹介したいと思います。