この記事では数々の漫画賞を受賞し、2021年にはアニメ化予定の美術漫画『ブルーピリオド9巻』のネタバレ注意な見どころを紹介します。
8巻では藝祭の一大イベントである神輿制作の準備に追い込まれる八虎たちの姿が描かれましたけれど、ブルーピリオド9巻では藝祭と、世田介くんと猫屋敷教授のヒリついた空気間が描かれます。
ブルーピリオド9巻のあらすじ
ネタバレ注意!ブルーピリオド9巻の見どころ&感想
限界寸前の作業量と、真夏の暑さに加えて、台風が運悪く重なり、神輿制作が当日までに間に合うか……。
というところで、八雲たちがヘルプに来た場面からブルーピリオド9巻は始まる。
藝祭当日には橋田が再登場したり、世田介くんが女装させられたり、八虎の友人が世田介くんと顔合わせしたり。
祭の陽気さにあてられてか「大学も制作も全然うまくいってないけど、真剣にやってみたから作品の見方も変わったと思いたいよね」と八虎が珍しく前向きになっていた。
ブルーピリオドは絵の表現力と、言葉がエグイ漫画だと分かっていたんだけど、9巻は特段に、言葉の意味を考えさせられる素晴らしい内容だった。
というのも、美術館で見た絵に上手いという言葉が真っ先に浮かんだ八虎が『上手いだけじゃ、そこに新しい表現とか独自性とかがないとだめなんじゃないの』と考えようとするシーンがあって……。
八虎は一緒に来ていた橋田に、どう凄いのか意見を求めるんだけど「一番は上手いとこちゃう?」と答えて、八虎はダメな部分ばかり見ている、視野が狭まっていると気づかされるのだ。
他にも努力は才能か?について意見交換していて、本来なら“これ以外の言葉が見つからない”レベルでの称賛なはずなのに、乱用するがあまりに薄っぺらく感じてしまう言葉を深堀していた。
ブルーピリオド9巻で印象に残るのはなんといっても猫屋敷教授で、自分の作品を見てもらうために何でもすると言わんばかりの強い意志を感じる。
そんな彼女は世田介くんに何か思うところがあるようで「…頭使ってよ頭。君にこういうの求めてないから」とストレートに言い放っている。
鋭い言葉の裏には意味があり、どんな意図があったかはそのうち明かされるはず(そう信じたい)。
八虎は世田介くんの会話に、薄っぺらい誉め言葉を道具として使っている節があって、今までぎこちなさを感じていたんだけど、ついに本音で語り合うときが来そうだ。